ゾロアスター教と日本。密教の秘密
私はゾロアスター教というのをよく知らない。
どこの宗教なんだという思いである。
しかし、この宗教。仏教など、様々な宗教に影響を与えていることを知った。
なので、できるだけ解りやすくまとめてみたいと思う。
ゾロアスター教の大元
まずゾロアスター教の成り立ちを知りたい。
イランの正式名称はイラン・イスラム共和国という。ペルシア、ペルシャともいう。
なのでイランとペルシャは同じ国である。
これは、日本の事を他の国がジャパンと呼ぶ事と同じで、イラン人自身は古くから国の名を「アーリア人の国」を意味する「イラン」と呼んできた。
西洋では古代よりファールス州(イランの海側中央部分)の古名「パールス」にちなみ「ペルシア」として知られていた。
アーリア人とはインドとイランに定住した民族で「高貴な人」という意味である。
そのアーリア人の宗教は神官・戦士・農民などの階級制度を持ち、ミスラ(イラン神話に登場する英雄神ど契約を意味する)やヴァーユ(風の神)など様々な神を信仰する多神教だった。
その宗教の中のアフラ・マズダーのみを信仰の対象として創設したのがゾロアスター教である。
アフラ・マズダーは、ゾロアスター教の最高神である。 宗教画などでは、有翼光輪を背景にした王者の姿で表される。
その名は「智恵ある神」を意味し、善と悪とを峻別する正義と法の神であり、最高神とされる。
日本で言うなら、日本神話の中の天照大御神をピックアップして、天照教を作ったようなものである。
そしてその教えを説いたのが、ゾロアスター(ツァラトストラ)である。
世界最古の預言者といわれるザラスシュトラ(ゾロアスター、ツァラトストラ)は、紀元前1600年頃から紀元前1000年頃にかけて生きた人といわれるが、その生涯の詳細についてはよくわかっていない。
一般的には「世界最古の一神教」と言われている。
ゾロアスター教の起源は古く、紀元前6世紀にアケメネス朝ペルシアが成立したときには、すでに王家と王国の中枢をなすペルシア人のほとんどが信奉する宗教であった。
そしてゾロアスター教は、活発なペルシア商人の交易活動によって中央アジアや中国へも伝播していったのだ。
ゾロアスター教は光(善)の象徴としての純粋な「火」を尊ぶため、拝火教(はいかきょう)とも呼ばれる。
「ツァラトゥストラ」が「ゾロアスター教」の教祖だった。
「ツァラトゥストラはかく語りき」というのは、ドイツの哲学者ニーチェの本なのは、なんとなく知っていた。「神は死んだ」という台詞が印象的だ。
「ツァラトゥストラ」はゾロアスター教の開祖の名前であるザラスシュトラ(ゾロアスター)をドイツ語読みしたものであるのは初めて知った。
また、音楽の『ツァラトゥストラはかく語りき』というシュトラウスが1896年に作曲した交響詩は映画『2001年宇宙の旅』の冒頭に出てくるのは有名である。
中国への伝播
中国においては,祅(けん)教という名前だった。南北朝末期に渡来し、唐代に一時流行したが、その後、禁止されたという。
中国の宗教のメインは道教である。
中国には、様々な宗教が流れ込んできており、仏教・マニ教・回教(イスラーム教)らはすべて夷教と呼ばれていた。
日本の空海が唐を訪れた804年には、ゾロアスター教の寺院がたくさんあったとされているので、空海はゾロアスター教の事も知っていたはずである。
もともとの仏教はインドで生まれ、現地での布教の際に様々な宗教を取り込んできたと言われている。
例えば弥勒という仏様は、ゾロアスター教にある「ミスラー」という神様がもとになったという説があるし、阿弥陀如来はゾロアスター教の最高神アフラマズダからきているという。
また、私達日本人が信仰している、祖先崇拝だが、アーリア人の血統重視がというのにつながっていると言われている。
いずれにしても、様々な宗教はお互いに影響を受けているので、似通った考えが大変多い。
とすれば、一番古いゾロアスター教の教えに、すべてが影響を受けたと言っても過言ではないのだ。
日本人への影響
これは、ゾロアスター教が仏教に影響を与え、結果的に日本人が影響を受けたという意味である。
仏教ではないが、ゾロアスター教では、自分の親、子、兄弟姉妹と交わる最 近親婚を「フヴァエトヴァダタ」と呼んで最大の善徳としている。
近親婚は古代よりタブーであると思っていたが、最大の善徳というのがびっくりする。(現在ではゾロアスター教でも近親婚が禁止されている)
日本の国産み神話のイザナギ・イザナミは兄弟かもしれないという疑問があったのだが、親近婚が善である思想があったのであれば納得がいく。
また、天照大御神とスサノウは誓約(占い)というのを行なっている。
これにより、宗像三女神が生まれ、五柱の男神が生まれたとある。まあこれはセックスして子供が生まれたということだと推測できる。これもまた、姉弟の事である。
さらに、高天原と黄泉の国の存在も、ゾロアスター教の善と悪の考えのもとに考えられたと思う。
そして仏教の「極楽と地獄」も同じである。
火を尊ぶ
純粋な「火」を尊ぶゾロアスター教の教義は理解できる。
オリンピックの「聖火」はまさにゾロアスター教だ。
古代日本へのゾロアスター教伝来は確認されていないという。
松本清張は古代史ミステリーの代表的長編『火の路』でゾロアスター教が日本に来ていたのではないかという仮説を取り入れている。
これは一度読んでみたい。
日本では東芝が過去に使用した電球や真空管などのブランド名(ゼネラル・エレクトリックのライセンスによる)「マツダ」の綴り Mazda は、アフラ・マズダーに由来する。
なるほど。
確かにゾロアスター教は日本伝来は不確かだということだが、「火」を神聖化する行事は多い。
「密教」のルーツは「ゾロアスター教」といいきっている人もいる。
たしかに天台、真言の密教系と山伏の修験道では祈祷の際には護摩を焚く。
これは明らかに「拝火教」といってもいい。
お盆の「送り火」も同じである。
不動明王像の背中にしょっている火炎。火炎は煩悩を焼き尽くす仏の力だと理解されている。
東大寺二月堂のお水取りも火の粉が聖な物とされている。
火を見ると、確かに心の奥を揺さぶられる感情があることを確信する。
究極は仏像である。
背中にしょっているのを光背という。しかしこれだけではなく、イエスも光を持っている。
こうなって来ると、密教だけではなく、全宗教がゾロアスター教に影響を受けていると言ってもいいだろう。
恐るべし、ゾロアスター教!!
[ゾロアスター教は光(善)の象徴としての純粋な「火」を尊ぶため、拝火教(はいかきょう)とも呼ばれる。」の火と太陽の天文現象「アナレンマ(8)」がゾロアスター教のアナーヒターでは?
アナーヒターで、アナレンマの「アナ」が同じですね。出雲風土記には「大穴持命」が書かれています。「「縄文の女神」は子供をおんぶして完成する」のコメント欄に書かせていただきましたが、太陽のアナレンマ現象:8の生と死の循環でしょう。次に、「ヒター」は、新潟県妙高市にある妙高山の別名は、須弥山です。妙高山は、火打山,焼山で頸城三山を形成してます。この頸城三山ですが、一番高い山は火打山(ひうちやま)。火打山の「打」を「だ」と読むと「ヒダ」です。そして濁音を無視するとアナヒタとなります。当たり前ですが、火打と言えば火打石で、「鋼鉄片の火打金にとがった石英などを打ちあわせて出る火花を火口に点火する「火花式発火法」に用いる硬質の石、またその発火具。古くは燧石とも表記される」とウィキペディアにあります。火を起こすことですね。どうもエジプト,シュメール,日本の縄文時代からの文化は考え方をリンクさせたようです。