4ナンバーアルトバン 南九州車中泊の旅(1)

またしても撮影したい場所を思いついて、4ナンバーアルトバンで長崎を出発した。

4ナンバーアルトバン

それも5月4日と5日、ゴールデンウィークのど真ん中である。

いろいろな都合と天気の具合もあり、目をつぶって出発した次第である。

今回のテーマは天孫降臨だ。行き先は霧島神社、鵜戸神社、青島神社。
この神社を聞いてピンとくる人はかなりの古代史通である。

霧島神社は鹿児島県霧島市の霧島山にある。この神社の祭神は天孫降臨の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)

青島神社は宮崎県宮崎市青島にあり、祭神は瓊瓊杵尊の息子、山幸彦(彦火火出見尊)

宮崎県日南市の鵜戸神社は山幸彦の息子、日子波限建鵜草葺不合命(ヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコト)、一般的には「ウガヤフキアエズ」という。

そして、鵜草葺不合命の息子は宮崎神社の神武天皇となる。

つまり天孫降臨した神様の血筋をめぐろうと思ったのだ。

一般の人にはほとんど興味がなさそうな由緒だが、これが結構観光スポットになっており、有名な神社ということで家族連れは楽しんでいるようだ。

さて我が愛車4ナンバーアルトバンは軽快に高速道路を走っている。

ただ100キロを越すと振動音が強くなり、とても不安になるので追い抜く時だけにして、通常は90キロくらいで走行。

佐賀の徐福

金立サービスエリア

金立(きんりゅう)サービスエリアで休憩。

ウロウロしていると、徐福長寿館祭りの旗が立っている。

徒歩でサービスエリアを出れるので興味本位で行ってみる。大量の蓮のある池を過ぎ、10分くらいで徐福長寿館に着く。

蓮の池

立派な徐福長寿館

徐福の話

司馬遷の『史記』の巻百十八「淮南衡山列伝」によると、秦の始皇帝に、「東方の三神山に長生不老(不老不死)の霊薬がある」と具申し、始皇帝の命を受け、3,000人の童男童女(若い男女)と百工(多くの技術者)を従え、五穀の種を持って、東方に船出し、「平原広沢(広い平野と湿地)」を得て、王となり戻らなかったとの記述がある。ウィキペディア

徐福長寿館の内部

この記録から、中国に徐福村が実在している事もわかり徐福が日本に来たのじゃないかという話になっている。

ただ徐福伝説は日本各地に有り、佐賀、三重県熊野、和歌山県新宮、鹿児島、東京都八丈島、宮崎県延岡市にある。

どれもが決め手に欠け決定打がないと思う。

ただ、いろいろ調べると佐賀県の金立(きんりゅう)の徐福伝説は一押しだ。

 

まず秦の始皇帝時代である。始皇帝の生没はわかっていて紀元前259年 から紀元前210年の人である。

この時代は日本では弥生時代と呼ばれていて、当然記録などはない。

あの邪馬台国は、西暦250年前後なので、かなりの時間差がある。

そこで有力視されているのが、佐賀にある吉野ヶ里遺跡(よしのがりいせき)である。

この吉野ケ里に集落が出来たのが紀元前4世紀あたりだとされている。この集落は100年以上も続き、3世紀になるとかなり大規模になり、甕棺の数などから推測しておよそ1,200人、吉野ヶ里を中心とするクニ全体では5,400人くらいの人々が住んでいたと推測されている。

吉野ケ里から発掘された人骨は、縄文時代の人たちとはやや異なり、副葬品のなかには漢の鏡などもある。

要するに渡来系の国であったと推測されている。

吉野ケ里が邪馬台国ではと騒いでいた時期があるが、明らかに時代が違う。

ただ、魏志倭人伝に書かれている「宮室」「楼観」「城柵」が存在しているため、邪馬台国の前の時代の王国ではないのかと思われている。

■佐賀には有明海が有り、広い平野がある。

■司馬遷の『史記』には、徐福は「平原広沢(広い平野と湿地)」に住み着いて戻らなかったという記述があり、佐賀はドンピシャなのだ。

■また東方の三神山に長生不老(不老不死)の霊薬があるという話で、金立には仙薬「フロフキ」といわれているのがある。

フロフキはカンアオイという植物で、金立山の山奥に今でも自生している薬草である。

フロフキの名前が不老不死からきているともいわれ、佐賀の金立では盛り上がっている。

2008年に佐賀市に於いて佐賀・徐福国際シンポジウムが開催され学術的な議論もやっている。全国的には佐賀の徐福伝説の認知度は低そうだが、私は有力だと思っている。

さらにもう一つ引っかかるのが、佐賀の神社のしめ縄が特殊であることをあげたい。

稲佐神社

普通のしめ縄は両端が細くなっているのだが、例えば徐福伝説のある金立神社のしめ縄は蛇の様に、だらんとしたしめ縄なのだ。

金立神社

金立神社だけではなく稲佐神社や他の神社でも古い神社は同じようなしめ縄なのである。これは珍しい。

私は結構マジなので、徐福長寿館祭りにも期待していた・・が、中身は占い師がいたり、展示物も大したことがないイベント。

せっかくの徐福伝説が台無しだ。

徐福

そう思いながら、ブツブツつぶやきながらサービスエリアに戻ってきた。

あー残念。

さて、改めて佐賀を出る。この先は鳥栖ジャンクションで熊本方面に進む。

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