天と海は同じ

天鳥船(あめのとりふね)

日本の神話に登場する舟の名前である。

雷神が船に乗って天地を行き来する時に使ったとされる。

みんなもよく知っている高天原 神々の地は天空にあるとされた。

 

まさにSFファンタジーの世界だ。

昔の人々は、そう考えていた。

昔の人の知能が低かったわけではない。

世界の仕組みがわからなかっただけである。

 

その中で、何とか目に見える世界を理解しようとしたのだろう。  

この21世紀だって、人の心はそう変ってはいない。

未だに宗教は生きているし、神の存在を信じる人も多い。

しかし、科学は進歩している。

宇宙の事も知る事が出来る。

だから、空の上に神々の世界があるとは信じなくなった。

 

代わりに宇宙人の存在も否定出来なくなった。

結局、空の上には何かいる事には間違いない。

昔は天(アマ)と海(アマ)は同じ意味だったという。  

 

漢字が日本に入ってきたのは古墳時代。

4世紀くらいからで、大和政権が日本を統一した時期だ。

しかし、それ以前にも話し言葉は存在していた。

文字がなかっただけである。

今の漢字には音読と訓読があり、 訓読がいわゆるヤマトコトバ(もとからの日本の言葉)で、 音読は漢字と共に日本に入ってきた中国語が変化したものだ。

 

「アマ」という言葉は訓読みだ。

だから昔から「天」も「海」も「アマ」といっていたわけである。

古代の人々は、どうやって使い分けたのだろう。

 

いやいや、今の日本人も全く同じ事をやっている。

外国人が日本語を覚える時、一番難しいのは「同音異義語」だそうだ。

端と橋と箸 数え上げれば切りがない。  

「天」と「海」 はるか水平線を見れば、空と海が一体になってる。

天と海

 

ヨットマンの話で、外洋に出て夜を迎えた時、波一つない鏡のような水面に、天空の星が映っている風景に出会わす。

その感動をヨットマンは語った。

まさに「天」も「海」一緒だったのだ。

 

海族だからこそ生まれてきた概念だと思う。

なんと哲学的なのか。

そして天から神様が降りてきて、日本を統一したという「天孫降臨」の話も「天」と「海」が同じ意味ならば、神話とはいえなくなってしまう。

 

「天」と「海」が一緒ということ。

 

カメラマンも見える事実を大切にする。

見る事、見える事。

理屈ではない直感の世界がここにある。

ここから、古代の話しを考えてみたい。  

 

 

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