ドーピング大国ロシアの要約(まとめ)
ロシアではドーピングが文化として深く浸透している。
ロシアスポーツ界の幹部は、メダルを取ることを最優先。
ロシアの陸上選手が組織的なドーピングを理由に国際陸上競技連盟から出場停止処分となった。
CAS=スポーツ仲裁裁判所
国際オリンピック委員会によって1984年設立され、スポーツで起きたトラブルを、裁判所ではなく、スポーツ界の枠内で解決をめざすことを目的とした一審制の仲裁機関のこと。
本部はスイスのローザンヌにあり、仲裁人は世界85カ国、250人強のスポーツ知識のある法律専門家で構成される。
日本からの関係者は、原秋彦弁護士、小寺彰東京大学教授、沢田寿夫上智大学名誉教授(ICC国際仲裁裁判所副所長)、横山潤一橋大教授らである。
ロシア人選手の告白
ドーピング問題発覚は2014年に放映されたドイツのドキュメンタリー番組
実際にドーピングを行っていたロシア人選手の告白。
これを契機にロシアの国家ぐるみのドーピング戦略が明らかにされる。
禁止薬物の使用・検査逃れの贈収賄
世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が公的に調査。
ロシア陸上界において、禁止薬物の使用や検査を逃れるための贈収賄などが常態化
組織的なドーピングを隠蔽するために正規ではないダミーの検査場が存在。
ドーピング問題の関係者に起こる異変。
ドーピング問題を告発した中距離のユリア・ステパノワ選手と、その夫でモスクワの検査機関に勤務していたビタリー氏が、カナダに政治亡命を申請。
露政府からドーピング検査機関の所長職を解任されていたグリゴリー・ロドチェンコフ氏も、「身の危険」を感じて米国に事実上亡命。
RUSADA関係者の不審死
年明け2月にロシア反ドーピング機関(RUSADA)関係者の不審死が相次いで発覚した。
今回の疑惑を受け、RUSADAは「不適格な組織」と認定されている。
元『RUSADA』職員
ある選手を検査をしないでくれと要請、賄賂の提示される。
RUSADAから送られたサンプルを検査する機関では、陽性反応が出たサンプルをすり替え、見返りにロシア陸連から賄賂を受け取っていた。
陰性反応が出たものだけを公式の検査機関に送り、陽性反応が出たものは廃棄。
2月上旬には、ドーピング問題で中心的役割を果たしていたとされるRUSADAのビャチェスラフ・シニョフ元会長が死亡。
2月14日には、RUSADAのニキータ・カマエフ(心臓疾患はなかった)前最高責任者が心臓の病気により52歳の若さで急死。
シャラポワにも向けられた疑惑
女子テニスの元世界ランク1位、ロシアのマリア・シャラポワ選手が記者会見を開き、1月の全豪オープンテニスでのドーピング検査で、禁止薬物「メルドニウム」の陽性反応が出たと発表。
メルドニウムがWADAの禁止薬物に指定されたのは2016年1月と最近であり、「糖尿病の家系」であるとして長年服用していたと主張。「メルドニウムが禁止薬物のリストに入ったことを知らずに服用した」と強調した。
メルドニウムは1970年代に旧ソ連で開発された薬で、確かに不整脈や糖尿病にも用いられるが、「持久力」を向上させる効能がある。
ドーピングを勧めるコーチや医師
中距離のロシア代表選手だったユリアさんは代表チームのコーチや医師から10年近く、日常的にドーピングを勧められていた。
練習後にロシア代表のコーチに呼び出され、大量のオキサンドロロン(筋肉増強剤)の注射器と錠剤を手渡される。
ロシアのスポーツ選手の間では、ドーピングは普通の話題
ロシアスポーツ相
客観性を欠く決定で、政治問題化され、法的な根拠がない」と述べて批判
ドーピングを使用した選手と無関係の選手は区別して対応すべきだという考えを示す。
国際機関と連携してドーピング問題の再発防止に取り組む姿勢を強調
フーリガン
ロシアサポーターによる暴力が高度に組織化。
ロシアのフーリガンはしばしば極右政治や組織犯罪に結びついている。
ロシア政府がフーリガンを組織的に送り込み、さらにフーリガンの行為をハイブリッド戦争の一環として考えている。
サポーターの闘争精神を褒め称える。
ロシア人サポーターは、街中やスタジアム内でイングランドのサポーターに対し、目出し帽やマウスピースで自身の身を守りつつ、刀剣や鉄パイプ、ボトルで容赦ない攻撃を加えた他、花火や発煙筒の使用、人種差別行為など多くの問題行動を起こし、双方の衝突に発展した結果、35人の負傷者が出た。
ロシアサッカー協会の幹部で国会議員でもあるレベデフはロシアサポーターの闘争精神を褒め称え、ムトコスポーツ相もフーリガンを称賛した。
記事引用サイト
ウェッジ社 WEDGE Infinity
http://wedge.ismedia.jp/
NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/