終活 最後の写真
人生最後の写真とは、葬儀の時の自分の写真です。
あなたはどんな写真になるでしょうか。
人生の最後はたぶん突然訪れるでしょう。
病気かもしれませんし、不慮の事故かもしれません。
最近は終活セミナーなども行われていて、50歳台から考えている方も多いといわれています。
相続、保険などの具体的な事から、仏壇・仏事、形見整理の事までいろんな事をやるようです。
私も60代になりましたので、すこしづづ身辺整理を始めました。
祭壇に飾られる写真
私は写真屋ですので、冠婚葬祭に強く関係してきます。
お宮参りから始まり、入学、卒業、結婚、そして葬儀です。
人が死ぬのは当たり前なのですが、葬儀の事など普段考えないものです。
まず考えると、本当に死ぬのではないのかと思ってしまうからです。
だから、必要な事ですが、あまり考えていません。
たぶん皆さんも同じでしょう。
そんな生活の中で、死は突然訪れます。
そうなった時どうなるか、想像はつくと思います。
一番あわてるのは、葬儀の準備です。
死んだ次の日には、葬式となります。
その時に一番必要なものは、祭壇に飾られるあなたの写真です。
じっくり探している暇はありません。
葬儀社の人は、家族の人と相談してアルバムから使えそうな写真を選ぶのです。
適当な写真が見つからなければ、免許証の写真を使ったりします。
そして、その場で複写して会社に戻ります。
これが現場です。
そして、葬式当日、残念な写真が飾られる事になってしまう場合があります。
どんな写真を飾られたいか
私の場合は笑っている写真を使って欲しいと思います。
最近、先輩が62歳肺がんで亡くなりました。
酒もタバコもたしなまない人で、頑健な人でしたが、調子が悪く検査を受けたところ、ステージ4の肺がんだったという事です。
先輩のお見舞いに行きましたが、覚悟を決めていたようで明るく振舞っていました。
それから、3ヵ月後なくなりました。
その時、葬儀の祭壇に飾っていたのは、にこやかな、いい感じの写真でした。
普段着に着替え、カメラの得意なお兄さんに病院で撮ってもらったと、奥さんから聞きました。
こんな遺影写真もあるのです。
私がスタジオを経営していた時、知り合いの50代の社長が現れ、社長室に飾るから自分の写真を撮ってくれと依頼がありました。
撮影したのですが、その写真が気に入らなかったようで、何度か再撮影を繰り返しました。
その後何年かたった後、その社長の訃報を聞きました。
葬式に行ったところ、祭壇には私の撮影した写真が黒枠の額に入れられ大きく飾られていました。
遺族の方に聞くと、自分の遺影写真が欲しくて私のスタジオに来たようです。
「そうか。それで何度もいらっしゃったのですね。最後の写真になるとなれば気に入った写真がいいですからね」
いい写真と気に入っている写真は違う
年をとった白髪だらけの写真を飾ってもらうより、もう少し若い時期、公私共に充実していた時代の姿を子供たちに残したいとおもいます。
女性もの場合は、美しかった時代の写真がいいでしょう。
しかしどんな写真がいいかとと言われても、こればかりは、本人しかわからないものです。
スマホに入れていても、本人が死んでしまえば何が写っているのかわからないものです。要注意!
気に入った写真は、デジタルではなくプリントしておく事。
写真がなければ撮影していいし、昔の写真を画像処理していてもいいと思います。
これが1番目にしなくてはいけない終活ですよ。
なじみ深い俳優の方々が亡くなってしまいました。
昭和が終わったようでショックです。合掌