焼き場に立つ少年を描く

焼き場に立つ少年

「焼き場に立つ少年」は、アメリカの従軍カメラマン、ジョー・オダネル氏が、原爆が投下された後の長崎で息を引き取った幼い弟を背負う直立不動の少年の姿を撮影した写真とされる。

この写真はとてもインパクトが有り、重要な写真だと思う。

この写真はいろいろと憶測が生まれているが、「裏焼き」だった可能性があると指摘されており、私は左右反転した写真を下敷きにして描いてみた。

私は戦争礼賛者ではない。

大東亜戦争の流れは、その当時の世界情勢の中で考えるべきで、日本の軍国主義が悪いと言い張る左翼の人たちの理論は、考えなければならないと思う。

この写真は原爆の写真である。

世界で初めて敗戦近い日本に、アメリカは2発も原爆を落とした。誰が悪いかといえば、当然アメリカである。

それなのに、特に長崎での議論では、日本が悪いから原爆を落とされたという。

長崎の市長だった本島氏も「(原爆は)落とされるべきだった。(満洲事変から終戦までの十五年間にわたる)あまりに非人道的な行為の大きさを知るに従い、原爆が日本に対する報復としては仕方がなかったと考えるようになった」と答えたという。

2007年(平成19年)には、南島原市出身の久間章生(元防衛大臣)が「原爆投下は仕方が無かった」と発言している。

これは、いじめられている子供に対して、いじめた子どもたちや先生、親が「いじめられる方にも問題がある」と言った話によく似ている。

この写真に写っている少年や背中の赤子に、どんな責任があるのだろうか。私は今でもそう思っている。

写真のインパクトはすごいのだが、絵にしてしまうと、そのインパクトは薄められてしまう。

そのかわり心に焼き付くような凄みを持ってしまった。

絵を描くのは楽しい。

ただ私が描き始めて思うのは、何を描きたいかということだった。

水彩画は平和の象徴でもある。

その水彩画でも題材を変えると、強力な主張を持つ。

今はうまく描くことより、何を描きたいのかを考える日々が続いている。

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