神様を寄せ集めた信仰 三川の五社大明神

長崎市三川町の高台の超細い道に、この五社大明神がある。
 
コンクリート造りの祠なのだが、赤い鳥居があるので神社と呼びたい。
 

五社大明神

五社大明神

五社神社(ごしゃじんじゃ)とは、日本全国に存在する神社の名称である。ウィキペディア

と書いている。
 
特別な神様を祀る神社ではないらしい。
 
社名は5柱の神を祀るという意味で、何らかの理由により5社を統合した神社や、元々1社に5柱の神が祀られている神社などにつけられている。(略)同一の社名であっても分社・勧請などをしたものではなく、祭神は一定でない。
 
 
なるほど。こんな社名もあるんだと知る。
 
調べてみると、西山2丁目に駿河五社大明神、長崎市西坂町に五社稲荷神社がある。
 
駿河五社大明神の方は写真をアップされていなく不明だが、西坂町に五社稲荷神社はお稲荷さんが祀っている。
 
稲荷社はどこにでもある庶民の神様だ。

稲荷

稲荷とキツネの関係だが、実は全く関係がない。
 
稲荷神と習合した宇迦之御魂(五穀をつかさどる神・ウカノミタマ)神の別名に御饌津神(みけつのかみ)があるが、狐の古名は「けつ」で、そこから「みけつのかみ」に「三狐神」と当て字したのが発端と考えられ、やがて狐は稲荷神の使い、あるいは眷属に収まった。ウィキペディア
 
 
つまり、御饌津神(みけつのかみ)を「三狐神」と当て字した事が始まりだとしている。
 
まあ、キツネは賢いといわれ、確かに神様の使いのような雰囲気を持っている。お参りの時の油揚げは、庶民の食べ物なので、信仰しやすかったのかもしれない。
 
江戸時代に入って稲荷が商売の神と公認されると、爆発的に稲荷は増える。「江戸に多いもの、伊勢屋、稲荷に犬の糞」という言葉があるくらいである。
 

五社大明神

三川町の五社大明神の祠の中に、南無七曜佛、南無七福神、南無七観音という碑がある。
 
七曜佛だが、中国では七曜は日月五惑星とともに北斗七星をも意味したとあり、北斗信仰の仏様だろう。あとは、七福神、七観音と、ありがたい神様のオンパレードといったところか。
 

五社大明神

その横に三原山とあり、その下にいろんな神様の名前がある。これは当然、三川にある三原山をご神体としたものだ。
 

三川川

三川川上流にあたるこの地は、300年を越える歴史のある真言宗醍醐派の霊場とあり、醍醐の滝という滝もあるという。この地は斜面も多く、信仰の場所だったのだろう。今は開けているが、昔は山里の地域だったと思える。
 

三川

三川

また、長崎から長与方面へ行く道があったらしく、史書には「殿様橋」と呼ばれる橋があったという。
 

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