野母 葉山神社

野母

野母 葉山神社

野母 葉山神社

神社前にある恵比寿像群

住所は長崎市野母町2635。野母崎漁港のある首状の地域の反対側の港の近くにある。
 
祭神は八大龍王。神社の詳細は不明。
 
石段を登ると左側に、恵美須の像が数体安置されている。色んな場所にあった恵比寿像をまとめたのだろう。
 
その横には立派な石の鳥居があり、鳥居の神額には葉山神社、八大龍王と書かれている。
 

八大龍王 葉山神社

葉山神社の神殿

葉山神社 拝殿

葉山神社 神棚

社殿は古いが、拝殿は綺麗に整理されている。
 
拝殿の上には中身のない石の祠と、神の象徴の鏡と御幣(ごへい)が祀られている。
 
鳥居の神額には葉山神社、八大龍王とあるので、その2つの神様を祀っているのだろう。
 
石の祠の中の神様像があったのだが、明治政府の神仏混淆禁止の際、政府から没収されたと言う。
 
だが、もともと神道には像はないので、八大龍王の像があったのだろう。
 

八大龍王

八大龍王

八大龍王は仏法を守護する竜族の八王とされている。仏教出身なので当然像がある。
 
日本では昔から雨乞いの神様として祀られている。権現山はもともと島だったようで、島では水の確保が最重要となる。
 
八大龍王が祀られる理由がそこにある。
 

葉山神社

葉山神社だが、葉山というのは、一般的に端山から来ている場合が多い。
 
死者の信仰で、人が死ぬと、一旦山の端にある小高い丘のような部分にとどまり、その後いつしか山、もしくは天に登っていくと言われている。
 
なので山の麓の小山のような部分を、端山(はしやま)から「はやま」へ、そして漢字で葉山になる。
 
長崎のエミネント葉山という地域も、同じだと思われる。
 
葉山神社は、地域の死者の魂の一時的な居場所だったのだろう。
 

葉山神社

 

もう一つの祠

上の祠へ行く道

葉山神社の上にある祠

祠内の仏像

もう一つの祠が社殿の右手の道を行くと、神社の上部にあった。
 
アルミサッシの扉が取り付けられていて、中には像が祀られている。
 
あご髭があり、右手には釈、衣装は中国風のように見える。
 
おそらく、これが八大龍王の像だろう。
 
葉山神社の祠の像は、明治政府から持ち去られたと言われているが、おそらく住民の人が、そうなる前に、神社の上に祠を作り避難させたのではないかと思う。
 
後で、現地の人に訪ねてみると、「行者様」と呼んでいるらしい。
 
野母崎には行者信仰がある。樺島には行者山が有り、野母の地名の由来に、紀州熊野の漁師の話がある。
 
紀州熊野といえば、古神道の聖地熊野三山がある地域で、修験道のメッカである。
 
その事で、八大龍王の像を行者様と呼んだのだろう。
 

行者様と呼ばれている石像 釈は後から持たされたように見える

 

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