多良見町 市布天満宮 弘法大師と菅原道真

〒859-0403長崎県諫早市多良見町市布1134 市布天満宮

市布天満宮

長崎からバイパスを通り、多良見に出たすぐの左手の山の麓に有る。

神社の裏手に当たる山には天満宮公園があり、市民の憩いの場になっているようだ。

少し入り組んだ舗装道を進み、住宅の間に少し入った場所に一の鳥居が有る。

扁額には天満宮と書かれている。

市布天満宮 一の鳥居

市布天満宮 二の鳥居

市布天満宮

讃岐82番讃岐国根香寺

今風のステンレスの手すりが石段の左側についていて、石段を登ると二の鳥居があり、境内に出る。

社殿は小さいが、しっかりとした造りで屋根は銅葺きである。

境内右手には、半円の笠を持つ石塔があり、讃岐82番讃岐国根香寺と書かれている。

これは四国八十八ヶ所霊場第82番札所の事である。

市布天満宮 拝殿

市布天満宮 拝殿

拝殿はきれいで、正面の左右に仏壇が有る。右手の仏像は観音様みたいで、左手はお遍路の場所なので弘法大師だろう。

正面の奥の神殿には菅原道真が鎮座している。

この神社は諫江八十八ヶ所霊場讃岐国国分寺となっている。

諫江八十八ヶ所霊場は諫早家茂図公の息子が跡を継がないままで亡くなったので、その妻が夫の冥福と領内の平穏無事、子孫繁栄を祈り、四国八十八ヶ所霊場に習って、諫早領内に一円に88体の弘法大師像を建てている。

この霊場が出来たのが1825年ということである。

市布天満宮

市布天満宮

市布天満宮

この神社の由来は不明だ。

ただ、大正15年9月15日二の鳥居建立。平成元年に境内の整備と社殿の再建が行われたとある。

この神社が諫江八十八ヶ所霊場と合わさっているのなら、霊場が出来た1825年位ということになる。

拝殿の中に諫江八十八ヶ所霊場と天神様が祀られているのは、この近くの多良見町西川内 天満宮とそっくりだ。
https://artworks-inter.net/2022/04/25/多良見町西川内-天満宮%E3%80%80神と仏を祀る/

多良見町西川内 天満宮 拝殿

諫江八十八ヶ所霊場と天神様

諫江八十八ヶ所と天神様は一緒に祀られていることが多いと思う。

もちろんお寺や単独の祠も有るが、多良見では西川内天満宮と市布天満宮は全く同じと言ってもいい。

たまたまの偶然なんだろう。

諫江八十八ヶ所霊場の研究会では比叡山由来の宗派のお寺がほとんどとある。弘法大師を祀るのなら高野山の真言宗だと思うのだが、そこにはこだわりがないようだ。

しかし神仏分離政策で、多くの神社が、神仏を苦労して分けているのに、この神社のように堂々と祀っているのはスゴイと思う。

市布天満宮

市布天満宮

ちなみに、諫江八十八ヶ所霊場は諫早市内でも、佐賀藩直轄地だった真崎、貝津、小船越、栄田、永昌、西長田、小川、有喜などには、祀られていないとの事。

諫早の立場がわかる事象だ。

 

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