高来町 小江神社 いろんな神社が合体

長崎県諫早市高来町下与(シタグミ)名430 小江神社

小江神社から見た高来町

小江神社 一の鳥居

小江神社 二の鳥居

小江神社 二の鳥居の広場

小江神社 二の鳥居

小江神社 三の鳥居

この神社の場所はわかりやすい。JR小江駅の近くで、国道なら207号線を佐賀方面に進み、高来のローソンから左へ入り、道なりに進むとある。

正面と思える場所は、小江公園の入り口で、左手に回り込むと一の鳥居がある。

立派な一の鳥居をくぐると、石の坂があり、すぐ二の鳥居になる。

此処は広場になっていて、右手には立派な慰霊碑や記念碑が多数建てられている。

広場の奥の石段の上には三の鳥居がある。

小江神社

小江神社

小江神社

小江神社

小江神社 拝殿

右手には手水舎があり、その先は広い境内で、一本道が社殿まで続いている。

玉垣で囲まれた拝殿の入り口の屋根は、曲線形状の唐破風(からはふ)と呼ばれる作りで、重々しい。

唐破風下には見事な彫りものもあり、重厚さがにじみ出ている。

拝殿入り口には大きな諫早家の家紋、上り藤が染め抜かれている垂れ幕が張られ、拝殿内は神殿前に物が置かれ、いろんな行事が行われているようだ。

回り込んで神殿を見るが、かっこいい作りである。

境内の周りには記念碑が多く立てられ、隣の公園まで、そのまま行けるようになっている。

小山の上にある神社だが、きれいに整備されていて、広い敷地に小ぶりだが重厚な神社で、この地域の氏神である事がよく分かる。

小江神社 神殿

小江神社

小江公園

祭神は上津綿津見命だが、長崎県神社庁公式サイトでは伊邪那岐命、伊邪那美命、菅原道真、上津綿津見命、中津綿津見命、広津綿津見命、上筒男命、中筒男命、底筒男命となっているようだ。

祭神の件だが、高来町郷土誌の記載を掲載する。

小江神社の本社神官の家屋が大風で吹倒され、由緒録が紛失したので、詳細は不明とされている。

明治43年、一部の反対はあったが北御門村長の提案により、大宝年間(700年頃・奈良時代)創建の犬木神社と、天正五年(1577年・安土桃山時代)創建の小江神社が、現在の高来西小学校体育館のところに合社された。 これよりさき、沿革は不明であるが、他郷から移住した六名が、それぞれ異なった神を奉祀していたので、藤田尾の一角に合祀し、六社宮と名付けられていた。

旧小江村役場付近に祀られていた乗鞍宮と六社宮とを、今の高来西小学校の丘に合祀したのが明治初年である。同22年、小江村と犬木村、藤田尾村と深海村はそれ ぞれ合併されて小江村・深海村となったが、六社宮はそのまま小江神社に祀られた。

700年頃の犬木神社と、1577年創建の小江神社と合体、さらに異なった神の乗鞍宮と六社宮。それらの神様がすべて祭神となったのである。

一番古い犬木神社が誰を祀っていたのか不明だが、合体後、祭神は上津綿津見命になったと推測できる。

公表されている伊邪那岐命、伊邪那美命はよく祀られている神様だ。菅原道真は天神様、上津綿津見命、中津綿津見命、広津綿津見命はワタツミの神様、上筒男命、中筒男命、底筒男命は住吉様である。

ワタツミの神様も住吉様も海の神様とされているので、小江神社のメインは海の神様と言えるだろう。

ワタツミの神

ワタツミは海の神様である。

小江は海辺なので何の不思議はないのだが、高来町、小長井町の神社は、古事記の山幸彦に関係した神様が多いような気がする。

例えば高来町の川上神社は淀姫命、小長井の淀姫神社は当然、淀姫命だ。

川上神社
https://artworks-inter.net/2022/06/19/高来-河上川上神社%E3%80%80佐賀与止日女神社との深い/

淀姫神社
https://artworks-inter.net/2022/06/12/小長井町井崎-淀姫神社%E3%80%80神功皇后の妹と九州文化/

郷土史には「豊玉姫命は神功皇后の妹で、彦火火出見尊(山幸彦)の妃となった方」と書かれているがこの説明は時代を無視している。

神武天皇のお爺さんのお嫁さんと、神功皇后の妹では時代が全く違うのだが、海に関わる神様だとだけはわかる。

そして、ワタツミは龍王、豊玉姫の父親で、山幸彦と海幸彦の話の山幸彦の窮地を救うとなっている。

山幸彦は大和一族の始祖となっている。つまり、大和を救った神がワダツミなのだ。

高来という地名は、高麗からきたと言う人もいて、古代の大和誕生に大きく関わっていると思えるのだ。

まあ、これらは説なので、そういう可能性があるというだけなのだが、高来の主要な神社が海の神様を祀っていることを考えれば、単に漁民が祀っただけとは思えないのだ。

小江神社が合体した、大宝年間(700年頃・奈良時代)創建の犬木神社がすごく気になる。

この神社は誰を祀っていたのだろうか。

さらに700年の古代に、どの一族が高来にいたのだろうか。

謎が多すぎる高来である。

小江神社

小江神社

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