「やまと」は「夜摩苔」

古代史は謎が多く、謎解きは楽しい。

特に邪馬臺国は興味が尽きない。

ただ、何時も心の何処かで思っていることだが、 その当時の人たちの言葉や発音を知らないのに、現代の感覚で考えている自分がいることである。

 

若い時代、繁華街の写真店で働いていたことがある。

その店は免税店で外国の人たちが、結構たくさん買いに来ていた。その対応役で仕事をしていたが、片言の英語しかわからない私は四苦八苦である。

中国の人も多く、最初顔も似ているし、漢字の国だから、いざとなったら筆談で通じるだろうと思って、実際に漢字を書いて説明したが、まったく通じなかった。

言葉の発音の仕方も違うし、漢字の使い方もかなり違う。

日本の漢字は、やはり独自に進化して行った文字だということを再認識した場面だった。

 

さらにネットで

邪馬臺国の発音と意味

<邪>という字は、<ヤ>、<ジヤ>、<ヨ>などと日本で使われてきたが、
北京音では<シェ>、広東音では<ツェ>、呉音では<ゼ>、上海音が<ジャ>である。また明(みん)音で<スウ>と使われている。・・・・
http://blogs.yahoo.co.jp/matmkanehara/51065581.html

 

というブログを読んで、その思いを強くしたので掲載した。

 

 

邪馬臺国の「邪」や、卑弥呼の「卑」が、本当に悪字なのかということが気になっていた。

近代では「邪」は、「ねじ曲がって正しくないこと」の意味で「卑」は「品性が劣る」という意味である。 この字だけを見ると、現代人の僕も、結構なめられているなと感じる。

 

しか魏志倭人伝の記述は、淡々としており、結構いいことまで書いている。

女は慎み深く嫉妬しない。

盗みはなく、訴訟も少ない。

宗族には尊卑の序列があり、上のもののいいつけはよく守られる。

 

中国側では「ねじ曲がって正しくないこと」「品性が劣る」とは思っていないと考えるのが正当だ。

 

上代特殊仮名遣い

日本に漢字が入ってきた時、ヤマト言葉を漢字の音を利用して書いている。

『古事記』・『日本書紀』・『万葉集』などがそうである。

そして、古代日本語には母音が8つもあったという説が定説となっている。

現代語は母音が、あいうえおの5つである。

上代特殊仮名遣いという。

 

これにより、古代の漢字の使い方に色んな規則性が存在している。

現代と同じ、あいうえおの母音を使っているのが甲類。

それ以外の母音を使っているのを乙類という。

乙類は下記の13のみ。

「き・ひ・み・け・へ・め・こ・そ・と・の・も・よ・ろ」

 

過去の発音は不思議である。

しかし今でも、その痕跡と思われる事がある。

九州の五島列島では、菓子のことを「くぁし」と言っていた。

秋田県の高齢者には、「髭」を「フィゲ」、「蛇」を「フェビ」と発音する人がいる。

奄美方言では、「花」は「パナ」、「人」は「ピトゥ」、「骨」は「プニ」と発音。

田舎ほど、変化が少ないと言う法則どおりであろうか。

中国人に日本の漢字を見せると、「古文」だと言ったと言う。

 

「火の国」と「日の国」は同じではない。

「火(ひ)」は乙類、「日(ひ)」は甲類なので、読み方が違うのだ。

 

邪馬台(ヤマト)の「ト」は乙類。大和(ヤマト)の「ト」も乙類。

山門(ヤマト)の「ト」は甲類。

だから邪馬台(ヤマト)と山門(ヤマト)は違う読み方なので同じではない。

 

日本書紀では「やまと」「夜摩苔」と書いている。

今の僕の感覚では「夜摩苔」という文字がそんなにいい文字だとは思わない。

しかし、当て字である。

意味はない。

 

学界では定説になっている上代特殊仮名遣いだが、当然完璧ではない。

現在でもさまざま議論がなされている学説でもある。

 

言葉が似ているだけでくっつけたり、現代の地域名と古代の地域をすり合わせるのは要注意である。

そこのところ「最重要」だ。

思いつきだけで自説を展開している私だが

アメリカでもてはやされた「スキヤキ」が坂本九さんの「上を向いて歩こう」的な、とんでもない間違いをしているのでは無いかという思いを強くしている。  

(加筆)

 

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