欧州の新価値観 進撃のカーボンゼロ
2026年現在、イランとアメリカの緊張緩和が見えない中、日本のエネルギー問題が再び再燃している。
かつて世間が大騒ぎした光景は、今も記憶に新しい。
1973年: トイレットペーパーの買い占め騒動(第1次オイルショック)
1979年: 備蓄等の対応により被害軽減(第2次オイルショック)
その後: 省エネ推進とエネルギー転換へ
毎度のことながら、資源の乏しい日本の管理体制には、致し方ないと思える側面もある。なにせ日本からは石油が出ないのだから。
「あと20年で石油がなくなる」という話を、皆さんは覚えているだろうか。
1970年代、テレビやメディアに登場した評論家たちの多くは、危機感を煽るような「自信満々の予測」を繰り返していた。
今思えば、ブラウン管に映る彼らは、テレビという仕事場で誰よりも注目を浴びるため、ショッキングな話題を選んでいたのだろう。今も昔も、その構図はあまり変わっていないのかもしれない。
そんな戯言を真に受けていた若き日の自分を、ため息混じりに思い出す。
さて話を戻すが、この「第3次オイルショック」すら予感させる現状において、めっきり聞かなくなったスローガンがある。
それが「カーボンゼロ(脱炭素)」だ。
カーボンゼロ(脱炭素)
今回の中東危機を受け、脱炭素からの方向転換、あるいは事実上の撤廃を始めた企業や団体が急増している。
その背景には、トランプ氏の目論見があるのだろうか。
彼は化石燃料の増産を掲げる政策へと回帰した。
バイデン政権下で進められた環境規制を次々と撤廃・縮小し、「脱炭素」よりも「エネルギー自給」を優先させている。
今回のイランを巡る情勢も、こうしたエネルギー戦略を踏まえた動きではないかと勘繰りたくもなる。
地球温暖化、CO2排出量問題、そしてカーボンゼロ
この大きな流れは長く続いてきた。カーボンゼロが国際的な目標となった最大の根拠は、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による報告書だ。
しかし、日本では「世界共通の正義」のように思われているが、実際には賛同していない国も多い。
特に大国は、実利がなければ動かないのだ。
トランプ氏は国連への負担金削減やWHO(世界保健機関)からの脱退を改めて表明・実行している。WHOに関しては、パンデミック時の対応への不満が蓄積していたことも一因だろう。
アメリカ以外にも、イラン、リビア、イエメンといった国々は、紛争や制裁、経済的混乱を理由にパリ協定を批准していないか、実効性のある対策をとっていない。
また、インドは目標を「2070年」という遠い先に設定し、短期的には石炭火力を増強している。「貧困撲滅と経済発展が優先であり、歴史的にCO2を排出してきた先進国こそが責任を負うべきだ」という彼らの主張は、ある意味で当然の理屈と言える。
中国にしても、世界最大の太陽光パネル・EVメーカーを抱えつつ、中東危機によるエネルギー不安から国内では石炭火力の新設を続けている。「脱炭素は進めるが、自国の安全保障を脅かすスピードでは行わない」という立場を崩さない。
さらにイタリアや韓国などでも、廃止予定だった石炭火力発電所の稼働延長が決まった。ヨーロッパも例外ではなく、光熱費の高騰に直面した国民の反発を受け、方針を修正する国が相次いでいる。
ドイツや英国では、過激な脱炭素政策への逆風が吹き荒れ、保守勢力が「ガソリン車禁止の延期」や「石油・ガスの採掘再開」を求めて勢力を伸ばしている。
ロシアの場合、2035年目標は「現状維持」の延長線上にあり、パリ協定の1.5度目標を達成するには「極めて不十分」であるとの厳しい評価がある。
特に、2025年に採択された新エネルギー戦略では石炭の増産・輸出拡大も盛り込まれており、脱炭素目標と化石燃料依存の脱却の間で矛盾が生じている。
これを見ると、ロシアは表面上は、ヨーロッパの環境至上主義に賛同するふりをして、内情は自国ファースト路線を平気で進めているように思える。
そもそも、化石燃料を一律に「悪」と決めつけるのは過激すぎやしないか。
クライメート・ディレリズム(気候変動先延ばし主義)
世界の大国は、現在の流行っているカーボンゼロ運動をただの流行りと本当は思っていて、時間稼ぎで先延ばししているのではないのか。
そんな思いが頭から離れない。
大国が「自国の利益を守るための時間稼ぎ」をしているという現実は動かしがたいのである。
ヨーロッパが掲げた新しい価値観と正義
なぜアメリカ以外が、時間先延ばし作戦に出ているかといえば、「カーボンゼロ」が新しい正義に代わりつつあるのを懸念しているからだと推測する。
かつてヨーロッパは世界の頂点を極めていた。
大航海時代という植民地政策により、世界の未開地を次々と侵略していった。その時の大義名分は「キリスト教」の布教である。しかし実情は、香辛料、金、銀などの資源獲得、労働力としての奴隷確保、貿易ルートの独占と覇権争いだった。
今回のカーボンゼロ、環境改善運動も同じ臭いがプンプンとしている。
現在、ヨーロッパ産業の衰退は間違いなく、このままでは先が見えない状態である。
そこで、起死回生の必殺手を繰り出してきた。
それが「カーボンニュートラル」という大義名分である。
この環境問題は、現在だれも反対できない問題なのである。
地球という規模で、人類が生き延びるための唯一の方法だと語っているからである。
ジェミニAIの回答
彼らは、自国が勝てなくなった古い土俵を捨て、「環境」という新しい土俵(ルール)を無理やり世界に押し付けることで、「新しい形の覇権」を維持しようともがいている最中です。
その通りである。
アメリカのトランプ大統領は、それを無造作に切り捨てた。
だから世界中のリベラル勢からクソミソに罵られているのだ。
「環境」という大義名分で儲かっている「悪い奴ら」
「環境」という大義名分がなぜ欧米や日本でこれほど喧伝されたのか。そこには冷徹なビジネスの論理が見え隠れする。
まずは金融・投資家グループ(ESG投資)だ。
彼らは環境や社会を重視する企業にしか投資しないというルールを自ら作り、既存のエネルギー産業から引き揚げた資金をクリーンエネルギー分野へ集中させた。その過程で、膨大な運用手数料と株価上昇の恩恵を得ている。
次に「排出権取引」だ。CO2を出す権利という、実体のない枠を商品化し、市場で売り買いする仕組みを作った証券会社やトレーダーたちは、その手数料で利益を上げ続けている。
カーボンゼロの旗振り役である欧州の思惑も透けて見える。
かつてディーゼル車で日本に勝てなかった欧州メーカーが、ルールを「EV一択」に書き換えることで、日本の強みであるエンジン技術を無効化しようとした。
また「国境炭素税」を導入し、対策が不十分な国からの輸入品に関税をかけることで、自国産業を守りつつ他国から税を徴収する正当性を手に入れた。
しかし、皮肉にも欧米以上に現実的な利益を得たのは中国だった。
世界の太陽光パネルシェアの約8割、EV用バッテリーの主要部材の多くを中国企業が握っている。
脱炭素を急げば急ぐほど、世界は中国産のインフラに依存せざるを得なくなった。さらに、モーターや電池に不可欠なリチウムやコバルトといった希少金属(レアメタル)の利権を早期に押さえた者たちが、価格高騰によって莫大な富を築いた。
極め付けは、コンサルティングや認証機関だ。
「どうすればカーボンゼロと認められるか」を指導・証明するビジネスである。
企業が「クリーン」の看板を掲げるための複雑な手続きを受注し、大手ファームは空前の特需に沸いた。イーロン・マスク氏率いるテスラも、補助金と投資を巧みに呼び込み、わずか数年で既存の自動車メーカーを凌ぐ時価総額を手に入れた。
つらつらと述べたが、今回の中東問題で自国の足元に火がついた国々は、手のひらを返したように現実路線へと方向転換を始めている。
ヨーロッパはそう簡単に新価値観を手放そうとはしないだろう。
日本の同盟国、トランプのアメリカは無視する作戦に出ている。
さあ、日本はどうする。
この文章は、AIの知識を借りながら書いた。AIもさまざまだと思ったのは、チャットGPTの答えが、やけにリベラルなのである。
これは僕だけが感じたわけではないようで、
ジェミニAIより
「GPT(AI)の回答がリベラルに偏っている」という指摘は、世界中のユーザーや研究者の間で非常によく議論されているテーマですね。
とある。
シリコンバレー周辺のITワーカーや、特定の価値観を持つ地域の高学歴層に偏っている場合、彼らが「良い回答だ」と判断したものがAIの標準になってしまいます。
多分そんな感じだ。
AIの政治的偏りは、あまりいいとは思えない。これもAIの課題である。






