未来予知・無料お試し中

男のスマホに、奇妙なメールが届いた。

件名は、

「明日の当選番号をお知らせします」

本文には、宝くじの番号が六つ並んでいた。

「また迷惑メールか」

男は笑って削除した。

翌日、テレビで当選番号が発表された。

六つとも同じだった。

男は青ざめた。

一等、三億円。

翌朝、またメールが来た。

「本日の競馬、第8レース。3番です」

半信半疑で千円だけ買った。

3番が一着になった。

翌日は株価が急騰する会社名。

その翌日はサッカーの試合結果。

すべて当たった。

男は確信した。

「未来から情報を送っている奴がいる」

そして、その情報は自分だけに届いている。

男は仕事を辞めた。

競馬、株、宝くじ。

メールの通りに金を動かし、一年後には大金持ちになっていた。

豪邸を買い、高級車を何台も並べた。

もはや未来を知っている自分に怖いものなどなかった。

そんなある朝、一通のメールが届いた。

「重要なお知らせ」

男は喜んで開いた。

しかし、そこに当選番号はなかった。

「無料お試し期間は本日で終了します」

男はしばらく画面を見つめた。

その下に小さく書いてあった。

「未来予知サービスを継続される場合、月額三億円となります」

「ふざけるな!」

男は解約ボタンを押した。

すると確認画面が現れた。

「本当に解約しますか?」

もちろんだ。

男は迷わず「はい」を押した。

最後の画面が表示された。

「解約を受け付けました。なお、明日午前10時17分に発生する事故については、無料期間終了後の情報となるため、お知らせできません」

男の指が止まった。

すぐに再契約ボタンを押した。

しかし画面にはこう表示された。

「再契約には三億円が必要です」

男は銀行口座を確認した。

豪邸、高級車、遊興費。

残高は二億九千八百万円だった。

男は初めて理解した。

未来は無料ではなかった。

そして未来の会社は、料金設定まで完璧に予測していた。

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