バク転は一流、仕事は三流? 中国ロボットの皮肉な実態

華麗なる中国ロボットの「役に立たなさ」

 

近頃、ネットを開けば中国製ロボットの勇姿がこれでもかと流れてくる。階段を軽やかに駆け上がり、見事なバク転を決め、カンフーの型まで披露する。まるでSF映画のサイボーグが明日にも家庭にやってくるかのようだ。

 

しかし、冷静になって胸に手を当てて考えてみてほしい。私たちの日常生活や工場の現場で、いったい誰が「床でバク転をするロボット」を必要としているのだろうか。

 

結論から言えば、派手に宣伝されている最新の中国製人型ロボットは、現時点では「驚くほど役に立たない」。見世物小屋の芸人としては超一流だが、いざ「人間の代わりに働いてくれ」と頼んだ瞬間、その化けの皮が剥がれ落ちるのである。

中国ロボット、人類超え記録続々 スポーツ大会、技術進化アピール 東京新聞

 

見事なアクロバットと、お粗末な現場作業

 

動画の中で華麗に舞う人型ロボットを実際の自動車工場や倉庫に連れて行くと、途端にコントのような光景が広がる。

 

ネジを一本締めるのに人間の数倍の時間をかけ、柔らかい箱を持たせれば潰し、想定外の段差があればフリーズする。中国のロボットは「動くこと」に関しては天才的だが、「空気を読んで適切に作業する知能(AI)」がお粗末なのだ。

 

ファミレスで健気に料理を運ぶネコ型配膳ロボットや、床を延々と掃除するルンバもどきは確かに役に立っている。だが、それらは「タイヤのついた動く棚」に過ぎない。莫大な国家予算とEVバブルの余剰部品を注ぎ込んで作られたあの二足歩行の鉄くずたちは、現場の労働者からすれば「邪魔な障害物」以外の何物でもないのが現実だ。

 

「いただきもの」の知識と、脅威の突貫工事

 

では、なぜ彼らはこれほど中身の伴わないロボットを大量に生み出せるのか。

 

世間では「世界中の研究所からサイバー空間経由で設計図を『お借り』したからだ」「欧米や日本の優秀な頭脳を高給で買い漁った成果だ」などと囁かれている。確かに、他人が何十年もかけて血の汗を流した基礎研究を、ショートカットキーの「コピー&ペースト」感覚で手に入れた側面は大いにあるだろう。ドイツの有名ロボット企業をまるごと買い取った手腕も見事なものだ。

 

しかし、彼らの真の恐ろしさは、そうして手に入れた他人の技術に、自国のEV産業で余った安いモーターとバッテリーを詰め込み、完成度50%の段階で「新時代の幕開けだ!」と世間に売り出すその図太いスピード感にある。

 

安全基準? 耐久テスト? そんなものは後回しだ。動けば官僚が喜び、補助金が下り、SNSでバズる。壊れたらその時に直せばいい。「まず作ってネットに流せ、実用性は後から考えろ」という突貫工事の精神こそが、中国ロボットの進化の正体である。

 

日本の職人気質と、中国のハリボテ劇場

 

この光景を見て、「日本はロボット技術で中国に完全に周回遅れにされた」と嘆く声も聞こえてくる。確かに、かつてASIMOで世界を驚かせた日本は、完璧主義と安全性の壁に縛られ、派手な動画合戦からは完全に脱落したように見える。

 

だが、ここで少し意地の悪い現実を暴露しておこう。

 

中国のロボットがどれほど派手に跳び跳ねようとも、その関節を滑らかに、狂いなく動かしている超精密な「減速機」や基幹部品は、実は日本製だったりする。つまり、中国の最新ロボットは、「日本の精密部品を使って、他国の設計思想を真似て組み立て、自国の安いバッテリーで動かし、結果として人間の役には立たない芸を披露している」という、実に皮肉な多国籍エンターテインメントなのである。

 

芸達者な居候に給料は払えない

 

もちろん、彼らは「役に立たないガラクタ」を何万台も作り散らかしながら、急速にデータを集めて改良を続けている。あと数年もすれば、本当に役に立つ日が来るのかもしれない。

 

だが少なくとも今日現在、彼らができるのは「人間のように働くこと」ではなく、「人間のようなフリをして投資家を喜ばせること」だけだ。

 

サーカスを観に行くなら中国製ロボットは最高の選択肢だが、我が家や会社の現場に迎え入れるのは、彼らが「バク転」をやめて「雑巾がけ」をまともに覚えるまで、まだまだ待ったほうが賢明である。

AIのイメージ画像

ウサイン・ボルト氏の人類世界記録(9秒58)を上回ったとするニュースを垂れ流す報道機関。

見栄えと数字作りのために「止まる制御」を捨てて暴走・炎上させただけのハリボテを、「人類超え」と煽って鵜呑みに垂れ流すメディアの浅薄さが露呈した構図が悲しい。

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