音のしないカメラでクラシック撮影
私の撮影で一番多いのは、コンサート等の舞台撮影だ。
普通のピアノ発表会や舞台撮影の場合、特別なカメラは使用しない。
しかし、一番気を使うのがクラシック演奏の撮影である。
シャッター音
ビデオ撮影と違い、写真のカメラはあのシャッター音がある。
あの音を演奏家は嫌うのだ。
まあ当たり前である。
特にオーケーストラの場合、指揮者は余計な音を嫌う。
その為、昔はいろいろ苦労した。
まず子供用の防音室のある会場ではそこから撮る。
当然、かなり遠いので明るく高性能のレンズが必要だが、まあ何とか撮れる。
離れて撮れば音も小さくなるので、一番端っこに陣取り、さらに防音ケースを使う。
市販の防音ケースでも、少し音が漏れるので、厚手の遮音カーテンを加工して
オリジナルの遮音システムにする。
そうすると、ほとんど音はしなくなる。
ピアノコンクールの場合は必需品である。
何年か前、県主催のクラシックコンサートのゲネプロで、一眼レフを持った職員らしき人が舞台袖で撮影していて、
指揮者にこっぴどくしかられている場面を見た。
当然である。
一眼レフカメラは無音に出来ない。
一般の民生用(プロ仕様でないカメラ)一眼レフカメラは、シャッター音が特に大きい。
それは、シャッター音が派手だと格好がいいからだ。
だから民生用のカメラは、わざと派手なシャッター音をつけている。
一般には盗撮を防ぐ目的で、必ずシャッター音がするように設計されている。
一眼レフは名前のとおりミラーを跳ね上げて撮影するので、無音には出来ない。
音に対する配慮は、プロだったら必須である。
音のしないカメラ
音のしないカメラがないわけではない。
ミラーレス一眼という機種である。
しかし、プロの現場で使うにはやや機能的に不安があった。
画質の不安があったり、使えるレンズが限られていたからだ。
しかし、最近購入したミラーレスはそこそこ使える。
だが金額は一眼レフと変わらない。
新しい技術の波は間違いなく、プロの領域まで手が届き始めている。
無音カメラの利点
無音カメラは、クラシックや音楽系の撮影に威力を発揮するだろう。
また、臆病な鳥や動物・昆虫の撮影にも有効である。
派手なシャッター音もかっこいいのだが、状況でカメラを使い分けるのもプロフェッショナルである。