世界最古級の土器が長崎から発掘されている 福井洞窟
佐世保から平戸へ向かう道の中間地点にこの場所はある。
延々と山の道を走り、スマホマップが指示してたどり着いた場所は畑の端っこだった。周りには洞穴らしきものはない。
「おかしいな」と思い、この周辺を探したら、マップが示した場所は高台であり、その真下に洞穴が有ることがわかった。
古代遺跡なんてものは、その表札があってもわかりにくく、重要な遺跡にもかかわらず、ひっそりと存在しているだけなのだ。
ウェブページには観光スポットと書いているが、よほど興味がある人以外、チャランとした若者が行く場所ではない。
福井洞窟(ふくいどうくつ)は、長崎県佐世保市吉井町(旧北松浦郡吉井町)にある旧石器時代終末期から縄文時代草創期の遺跡である。国の史跡。ウィキペディア
この遺跡のすごいところは、旧石器時代から土器文化(縄文時代)への過渡期の文化層が認められた遺跡、つまりこの場所には旧石器時代から縄文時代の地層が積み重なっている事である。
この洞穴に、何千年も人が住み続けた場所なのだ。
そして、この遺跡から3万年以上前の日本最古の大型石器が発掘されている。また、同じ場所から1万2千年前の世界最古級の土器(豆粒文土器)も発掘されている。
豆粒文土器という名称は、豆粒状の粘土粒が、口の部分から胴体部分にかけて貼り付けてあるから。器形は、ラグビーボールの一端を切り落としたような外形
土器と簡単に言うが、現代の私達に作れといわれても、作れないだろう。おまけに飾りをつけているのだ。石器時代の人々は、猿のような人たちではなく、アートの心と職人の腕を持っていたのだ。
長崎に世界最古級の土器がある、という事は旧石器時代に佐世保に日本人が居たということである。
しかも定住していたという説もある。
この古代人が長崎県に住み着き、私達の祖先になったかもしれない。
長崎市内の深掘りにも縄文遺跡があり、つながりも感じられるし長崎には土着の人々が文化を築いていたのだろう。
つまり3万年前から、ジゲもんが居たのである。
すごい!! といっても興味のない人はどうでも良いことだろう。残念。