ドラゴンプロムナードはいらない
「ドラゴンプロムナード」20年 利用低迷、進む老朽化
2018/2/11 長崎新聞
https://this.kiji.is/335041368131945569施設が完成したのは1998年。県によると、当時、周辺にあった倉庫群の移転先として造られ、倉庫上部に屋上庭園が建設された。整備費用は約6億円に上るという。
ドラゴンプロムナード
全長約200メートル、幅約25メートル。展望デッキは一番高い所で地上約20メートル。米国の建築家が龍踊りをモチーフにデザインした。長く伸びた龍がオレンジ色の玉(直径約19メートル)を追い掛ける姿を表現しているという。開放時間は午前6時~午後6時。
あの玉は、出来てからもう20年もたつのかと思う。
最初見た時、「なんじゃこりゃ」と思わず口に出た。
更に名前が「ドラゴンプロムナード」。そのままやないか。
デザインしたのがアメリカ人だと知った時、OKを出したのは、自分を進歩的でアートに理解ある人間だと信じている役人だと思った。
最近話題になった東京山手線の新駅名が「高輪ゲートウェイ」に決まって、大ブーイングが巻き起こった。
あの感じによく似ている。
観光資源
長崎の観光資源はたくさんあるが、全て過去の建造物である。
特に教会などは、その歴史と壮麗さは何百年たった今でも感動を与えてくれるのである。
目新しさを追っただけのものや、変にこねくり回したものなどは建ててほしくない。
なぜなら税金で建てるからである。
それでも建てたいと言うんなら自費や民間に任したらいいんじゃないか。
海から見た風景
私は旭町に住んでいて、毎日旭町桟橋をウォーキングする。
その時駅前から女神大橋あたりまでが視界に入る。
そんな光景に、県庁の新館やドラゴンプロムナードは全く似合わない。
特に県庁のマッチ軸で作ったような外観は、未だに違和感を感じてしまう。
なぜなら海に似合わないからだ。
荒海や強風でいとも簡単に流されてしまいそうなのだ。
とても残念である。
新しいものに価値はない
よく言われるのだが、新しいイメージがとてもいいような事を言うのだが、新しいものはそんなに大切なことなのだろうか。
例えば若者は、若者というだけでとても褒めそやされる。
だが、若いというだけで、未熟な人間は別に素晴らしくはない。
洋服にしても、流行の服はとてもみんなから好まれる。
しかし、どんなに新しいファッションでも、世に出た瞬間から古くなる。
これはしょうがない事である。
だからといって古いものが全部いいとは言えない。
大切なのは、デザインよりもその建物が持っている機能というのが大切で、その機能を補強するのがデザインなのである。
例えば教会だが、あの作りは安定感のあるシンメトリーであり、教会の内部のステンドガラスや高い天井は、尊敬の念を沸き立たせる為に作られたものである。
昔の官庁の建物は石造りでどっしりしているのは、やはり威厳と安心感のイメージが必要だからである。
もちろん当時の流行を取り入れた建築物もあるが、なにせ金をかけて作られているので、陳腐化しないのだ。
それに比べて、「ドラゴンプロムナード」の陳腐なことはこの上ない。
大波止の海岸線は最近開発が進んできて、一等地になっている。
使われなくなった「ドラゴンプロムナード」は速攻、変化させるべきである。
必要な所に必要なモノを建てるべきである。
イメージだのデザインだのは、後からついてくるのだ。
「ドラゴンプロムナード」が陳腐なものになったのは必要とされなくなったからである。
長崎に必要なものとはなんだろう。
そんな事を考えさせられるあの玉である。