ぼーっと生きてるんじゃねえよ! MICE(マイス)施設の是非
長崎でいろいろ物議を醸しだしていたMICE(マイス)施設が完成する。

広報ながさき
MICEとは、
Meeting(会議・研修・セミナー)
Incentive tour(報奨・招待旅行)
Convention またはConference(大会・学会・国際会議)
Exhibition(展示会)
の頭文字をとった造語で、ビジネストラベルの一つの形態。
参加者が多いだけでなく、一般の観光旅行に比べ消費額が大きいことなどから、MICEの誘致に力を入れる国や地域が多い。日本でも、インバウンド振興策の一環として、国や自治体により誘致活動が盛んに行なわれている。(JTB総合研究所より引用)
長崎の場合、田上富久市長が以前から議会に提案していたものだ。

長崎市役所
しかし、市政だけが推進したわけではない。
経済界を中心に約60団体が「長崎MICE誘致推進協議会」を立ち上げ、民間経済界の強力な後押しがあったのだ。
全国各地で大乱立「ゴージャスMICE施設」は必要か?
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7620
という記事がある。
■「国際会議の数自体はそこまで増えていない。最近では、国をあげて誘致をしないと、海外からの集客は厳しい」MICEの誘致運営会社
■長崎市がJR貨物から約68億円で購入。
■市長自ら先頭に立って説明することは異例。
■収支見込など、市が出したデータはデタラメ。
■建設費用(約137億円)のコストも含め収支見込をだすと、年間約3億4000万円の赤字、これに用地取得費用を含めると、年間で約5億円の赤字。
■年間59万人という想定数値は、福岡のMICE施設の年間利用者数をもとに出した数値であり、長崎での根拠が不明確。
■これまで使用されてきたホテルや結婚式場の会議室などが利用されなくなる。
■MICEの誘致や運営を行う企業にとってみれば、巨大施設が多いに越したことはない。どれだけ建設されようが、建設費用もランニングコストも自治体が支払うため、自らはほぼノーリスク。
以上なような負の部分を多く指摘している。

MICE施設は“未来の出島” 駅直結と都市の魅力で中規模会議誘致へ EVENT MARKETING BLOG
多分、MICEは取らぬ狸の皮算用に終わりそうだが、赤字になっても税金で賄われるし、行政の担当者も、年月が変われば担当から外れ、だれもその赤字の責任を取らないシステムになっている。
そう、その赤字の責任を取らされるのは、私達納税者なのである。
箱物行政の弊害は、常に指摘されているのに、相変わらずなのだが、なぜそれでも箱物を作るかというかというと、「箱物以外に、現在の経済を活性化出来る、具体的な政策はあるのか」という行政の心の声もある。
MICE施設建設に反対の声は多かった。
しかし、それなら長崎をもっと活性化させる方法を発表しないといけない。
反対の声が届かないのは、具体的な方法を言わない事にある。
例えば、戦争反対の声は長崎中に満ち溢れている。それなら戦争を無くす方法を考えなければならない。
「話し合い」で実現させるという平和的な理想論をいくら語っても、永久に戦争はなくならないだろう。
例えば、強力な軍隊を作り世界中に配備させれば戦争は少しは減るかもしれない。なぜなら日本に犯罪が少ないのは交番制度が充実しているからである。
これなら少しは具体的な案だと思う。
しかし、これを実現させるには軍備の充実という平和とは反対のベクトルを持ってしまうので、誰も賛成してくれない。
だから、永久に世界の戦争はなくならないのだ。
さらに箱物行政は、民主主義の結果なのだ。選挙で当選した市長が推し進める政策だからである。なので、「MICE(マイス)施設の是非」を今更考えても駄目なわけである。
さてMICEの事はさておいて観光県で正解なのか、観光に頼る長崎市の方針は正しいのかという問いもある。
何十年後の長崎の人口は確実に減っている。新幹線が開通しようが、MICE施設ができようが、減っていくのはしょうがないのである。
現在長崎市は、観光の追い風を受けている。
世界遺産は登録されるし、大型客船は毎週のように入港している。このチャンスを逃すなとばかりのMICE(マイス)施設の建築なのはわかる。

観光船
しかし、しかしである。
現状を考えれば、やってくるのは中国人と韓国人がほとんどである。
最初は爆買いなどで、地元の商店街は潤った店も多かったと思うのだが、段々と長崎市に落とすお金を少なくなる一方である。
また、中国は共産党一党独裁だし、韓国は強烈な反日国家である。
これらの観光客に長崎の将来を託して良いのだろうか。
政治的な理由で、全く来なくなる可能性は極めて大きい。
そうしたら、街中に中国語と韓国語を書いた観光地の案内板が膨大に残るだけの町になってしまうだろう。
さあどうすれば良いのだろう。
大問題である。
箱物や観光施設がどんどん作られていく長崎を対岸地区で眺めているだけの私にしてみれば、またコンクリートの施設ができるだけである。
日本は戦後の奇跡的な大発展と、団塊の世代と言われる巨大な世代の塊で、突っ走ってきた。
それが、なくなりつつあるのは事実である。
昭和15年には25万だった人口は、昭和60年の45万人をピークに下降する流れである。
近所の小中学校も生徒数が少なくなり、廃止される学校も多い。
これはしょうがないのである。
なので、長崎市も少ない人口でやっていける方策を早めに取ってほしいと思うのである。

MICE(マイス)施設
そ~考えながら、旭町岸壁でぼーっと釣りをしているのだ。
ぼーっと生きてるんじゃねえよ!
これは、私に言われている言葉である。
しかし、ぼーっと生きてもいいんじゃないの、にんげんだもの。