「あびき」長崎港に発生 22日23日も要注意
春分の日の大潮で、長崎港は午後8時35分に満潮を迎えた。
更に低気圧による海面上昇が起き、あびきが発生した。
21日は満月で大潮である。つまり月の引力が最も強くなる。
さらに、九州の南海上に低気圧が停滞している。これにより潮の張力を抑える力が弱まっている。
と言う訳で、潮が岸壁から溢れ出たというわけである。
いとじゃー@ブロガー @itojaaa 13 時間前
長崎宝町、冠水してる! 路面電車も止まってるし。 何が起きたんすか??こえー pic.twitter.com/Ep6pIgT21I
海面上昇は最大1メートルということなので、大きな被害は出ていないが、過去3メートル弱のあびきが出たこともあるので注意するに越したことはない。
(1979年3月31日に長崎港で記録した振幅278cm(周期35分)が全国での観測史上最大)
長崎銅座町、突然の水害。 pic.twitter.com/6m870j0ukI
長崎港で最大で105センチの海面昇降、平野部で冠水。路面電車にも影響。@nbc_nagasaki
午後8時半ごろ、長崎港に流れ込む浦上川や銅座川の周辺市街地などで、数キロの範囲にわたって道路が冠水。同市宝町のJR長崎線の下を通る道路(アンダーパス)は約30センチ浸水して一時通行止めとなった。同線の浦上駅~長崎駅間も安全確認のため列車の運行を一時見合わせた。
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0321/mai_190321_1962836694.html
この高潮現象を「あびき」という。
語源は早い流れのため魚網が流される「網引き」に由来している。
1988年(昭和63年)3月16日のあびきで、海水が浦上川を遡っている様子(長崎地方気象台)
「あびき」の被害は低地での浸水被害や、係留している船舶の流失等である。
このあびき、長崎湾で発生する副振動の事でもあり、30~40分周期で海面が上下振動する。
これは、長方形の容器に水を入れ、一方の端を持ち上げて少し傾けてから元に戻すとしばらく水全体が左右に振動するのと同じ現象だという。
ただの自然現象なのだが、予測が狂うと災害が起きる。
今朝の旭町岸壁だが、タイヤや水たまりがあるだけで被害はなかったようだ。
ただ、岸壁に船を係留している人たちが、チェックに来ているのも見かける。
「いやー、昨日はびっくりした」などの話し声も聞こえる。
やはり要注意である。