所在地 長崎県長崎市西山本町8-18 西山神社
 
お諏訪さんを抜けて少し行くと、西山神社の一之鳥居が見える。
 

西山神社

一見して古い雰囲気がある。
 

西山と呼ぶ理由

長崎県庁から見ると東側にあるのに、何故西山と呼ぶのかと不思議に思ったが、戦国時代の長崎氏の居城である鶴城から見たら、西側にあったからという説明を読み納得した。
 

西山

 

由緒記

由緒記

 
案内板には下記のことが書かれている。
 
長崎聖堂の学頭で唐通事であった盧草拙が中国から持参し、寛文年間(1660年代)から祀っていた北辰妙見尊星と、諏訪神社吟味役・村田四次郎が祀っていた妙見尊神を祭るために、長崎奉行石河土佐守の許しを得て1854年(享保4年)に社殿を完成し、西山妙見社とよばれました。
 
明治2年、神仏混淆禁止令により、西山神社と改称された。地元の人からは「西山の妙見さま」と呼ばれ、親しまれています。
 
わかるようでわかりにくい文章なので解説をする。
 

北辰信仰

 
西山地区の歴史は詳しくは書かれていないが、西山という地名がついたのが戦国時代なので、それ以降発展していった土地だと思える。
 
場所的には金毘羅山の麓にあり、金比羅神社は百済の王様が、山頂に香を炊いて北辰を祀ったという故事がある。
 
百済という国がでてくるのは「白村江の戦い(663年10月)」なので、7世紀くらいに、百済人が長崎にやってきた可能性は高い。
 
百済は朝鮮半島にある国だが、倭国と同盟を結んでいたし、親分子分の関係でもあるので(倭国が親分)、唐の北辰信仰→百済→九州北部→長崎という経緯も十分考えられる。
 
なので、この地域には北辰(妙見尊星、妙見尊神)信仰が大昔からあったと思われる。
 

妙見大菩薩 – 円泉寺

 
北辰とは北極星のことで、航海のときの目印になるものである。
 
また金毘羅とは、クンビーラというガンジス川に棲む鰐を神格化した水神である。それが日本に渡って海上交通の守り神として信仰されてきた。
 
なので港を見渡せる高い山に金毘羅は祀られている。ともに航海に関係があり、ワンセットになったものだと思われる。
 
最初は西山妙見社という社殿だった。
 
妙見は本来仏教の中の菩薩様なのだが、神仏混淆の思想で仏も神も共存していたのだが、明治2年、神仏混淆禁止令により西山神社と改称された。
 
社殿には妙見様の使者である白蛇や龍の絵や絵馬が数多く奉納されているという。
 

山伏

 
妙見菩薩信仰には星宿信仰に道教、密教、陰陽道などの要素が混交しており、像容も一定していない。
 
ゆえに、加持祈祷などの要素が多く、怪しげな山伏たちが活躍をしていたと言える。
 
これは民間信仰と言えるもので、由緒ある法典などがある神仏の系譜から離れた、俗っぽい側面も多くある。
 
民間でも度々北辰祭というお祭りが行われていたが、796年(延暦15)以降風紀紊乱(びんらん)を理由とする禁令がたびたび出されている。
 
時代は平安時代にまでさかのぼり、北辰夜祭が、男神と女神との年に一度の逢瀬を献灯をもって祝う北辰祭として都の朝廷・民間で盛んに流行していた。
 
つまり、神社境内の闇は「にわかカップル」の性交の場になり、乱交パーティーとして開催されていた節がある。
 

祭神

 
西山神社の祭神は天之御中主大神、高皇産霊大神、神皇産霊大神の造化三神である。
 
天之御中主大神(あめのみなかぬしのかみ)とは、古事記で神々の中で最初に登場する神である。しかしその事績は何も記されていない。つまり、存在だけが書かれている神様だ。
 
近世において「天の中央の神」ということから、北極星の神格化である妙見菩薩と習合されるようになったと考えられている。
 
まあ、こじつけ臭いのも妙見信仰の姿であると思う。
 

西山神社参道

緋寒桜

「長崎ザボン」の最初の木

妙見茶房という喫茶店

 
西山神社には、緋寒桜(長崎市指定文化財)、「椎の木の水」といわれる長崎の名水の一つが注がれている手水舎、「長崎ザボン」の最初の木がある。
 
また神社の入口横に妙見茶房という喫茶店がある。
 
普通の神社に比べて、見るものが多いのも特徴である。.
 

西山神社

西山神社

西山神社

西山神社 奥社

「椎の木の水」といわれる長崎の名水の一つが注がれている手水舎

大星稲荷社

大星稲荷社というお稲荷さんがある。
 
妙見大星神社という神社は青森県にあるが、特別関係はなさそうである。
 
まあ、お稲荷さんの名前は勝手に付ける場合が多く、氏子の稲荷信仰による創建だと思う。
 

西山神社の寒桜(市指定天然記念物)

西山神社の寒桜 10月の参拝なのに花が咲いている。

 
参道横には由緒がありそうな家も並び、昔の賑わいが忍ばれる神社である。
 

西山神社参道

 

神社から見た西山の風景