木津の浜駅 稲荷大明神 鉄道狂想曲の夢の跡

〒854-0516 長崎県雲仙市小浜町富津 木津の浜駅

旧小浜鉄道

木津の浜駅

木津の浜駅

木津の浜駅

場所は雲仙市となっているが、小浜町の手前にある富津という地域にある。

猿場山の西側の海岸で木津漁港の近くにある宗像神社に行く途中に見つけた祠だ。

バイクで走っている道に特徴があった。狭いトンネルがあり、道幅は二車線ではなく微妙な広さで、長く続いている。

そして、この木津の浜駅跡を見た時、ああそうかと思った。

ここは鉄道跡なんだと。

そして、その駅跡の右奥に、赤い鳥居がちらりと見える。

木津の浜駅

稲荷大明神

稲荷大明神

稲荷大明神

神社がある。そう思い奥へ進んでいくと、下に行く石段があり、平たく舗装された場所に稲荷神社があった。

ここはグーグルマップには載っていない。

細く赤い鳥居の神額には正一位稲荷大明神と書かれている。

その奥に石の祠があり、入り口には金網が立てかけられている。

祠の奥には小さな赤い鳥居とキツネさんが置かれている。

その前には、ティッシュの上に「いりこ」が山盛りになって供えられている。

なるほど、このいりこを狙って、小動物が食べに来るので金網で防御しているわけだ。

稲荷大明神

この場所は崖の上で、木津の港がよく見える。

いつ誰がこの神社を建てたのか不明。

大昔から此処にあったのか、駅が出来た頃に出来たのかわからないが、今でも此処にあるということは、大昔から祀られていたような気がする。

木津の浜駅跡

ここに看板があり、平成19年度 経済産業省 近代化産業遺産と書かれている。

そして旧小浜鉄道、温泉鉄道の歴史と地図が載っていた。

沿革(抜粋)ウィキペディア
●温泉軽便鉄道
大正09年(1920) 7月 温泉軽便鉄道設立
大正12年(1923) 5月 愛野村駅-千々石駅間を開業 愛野村・愛津・水晶観音・千々石駅開業
大正13年(1924) 5月 温泉鉄道に社名変更
昭和08年(1933) 10月 鉄道敷設免許を雲仙鉄道に譲渡し会社を解散する
●小浜地方鉄道
大正10年(1921) 8月 小浜地方鉄道設立
昭和02年(1927) 3月 千々岩-肥前小浜駅を開業 上千々石・木津ノ浜・富津・肥前小浜駅を開業
昭和02年(1927) 5月 小浜鉄道に社名変更
昭和02年(1927) 6月 小浜鉄道・温泉鉄道・島原鉄道の三社で諫早-肥前小浜駅
昭和08年(1933) 7月 雲仙鉄道に社名変更
昭和13年(1938) 8月 愛野村-雲仙小浜駅(肥前小浜駅)間の全線を廃止
●島原鉄道
昭和24年(1949) 8月 愛野村駅を愛野駅に改称

歴史や沿革を読むと、大正時代には、温泉鉄道と小浜地方鉄道の二つの鉄道会社が入り乱れていて、なかなかわかりにくい。

結局、約15年間しか走っていなかった鉄道である。

現在は島原鉄道が、諫早から島原まで通っているが、小浜の方には鉄道はない。

まあ今は車の時代なので問題ないのだが、大正時代だと鉄道を通すことは、地域の活性化の悲願だったと思われる。

木津の浜駅は旧小浜鉄道の廃線跡という事になる。

私は鉄道マニアではないので、鉄道の良さがよくわからない。

ただ大正時代の鉄道は、最先端の近代化の道具だった。日本中を見ると、鉄道によって近代化を成し遂げた地域は沢山ある。

もし、この地域の鉄道が順調に運営されていたら、小浜地域は大きく変わっていただろう。

この夢の跡の木津の浜駅の近くのお稲荷さんは、この歴史を見ていたんだと思う。

しかし、この先どうなるか、誰もわからない。万事が塞翁之馬の喩えもある。

ただ、人間界の歴史の流れに「お稲荷さん」が興味があるかはわからない。

多分ないだろうなと思う。

木津の浜駅

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