能登地震でのSNSの嘘 なぜ人は嘘をつくのか
「能登地震 偽情報で出動」という大見出しが2024年2月9日の長崎新聞の一面に現れた。
虚偽情報をSNSに流した人がいて、実際に消防車が出動したことが、少なくとも二件あったと書かれている。
消防にしてみれば、真偽は不明だが、人命にかかわる情報なので出動せざるを得なかったのだろう。
この手の嘘は、はやく突き止めて厳罰にするべきだ。また似たような嘘情報は風評被害にも湧いて出てくる。
実に腹立たしいと思う。
そして、現在のSNSの構造的欠陥が嘘を助長しているとも思う。
Xツイッターは、本人の確定が甘く、匿名で気軽に適当な情報を流しやすく、悪質な嘘をつきやすい構造にある。現在は、サーバーと協力して本人を特定、裁判などの法的処置で対応している。
Xツイッターはいい面も多く、面白いメディアだと思うのだが、悪用されてしまうと被害が大きい。
まったく残念な事である。
なぜ人間は嘘をつくのか
なぜ人間は嘘をつくのかという問いに、学問はいろんな解釈を打ち出している。
1. 自己保身と自己防衛
2. 社会的な評価と成功
3. 利他的な理由
4. 避けられない状況
5. コミュニケーションの円滑化
Xツイッターでの嘘は、「2. 社会的な評価と成功」という部分だろう。
たとえ嘘でも、「社会に影響を与えた」事で快感を感じ、鬱積した心への報酬としていると思える。
大体の心理学者は嘘に関して肯定的である。
やはり人間は嘘をつく動物だと認識しているようだ。
だとしても、社会に害のある嘘は糾弾しなくてはいけない。
嘘は「感情」でつくのではない。我々は「環境」によって嘘をつかされる。意志決定の舵は「脳」ではなく「環境」が握っている。そのためには嘘をつかなくてもいい環境を作ることが大切だ。考え方を変えたいなら、環境を変えたほうが手っ取り早い。
Title;「革命のファンファーレ」 著:西野亮廣
こんな考えの人もいる。
だが、私は疑問に思う。環境つまり社会が悪いという論法は、非常に危険である。
いろんな解釈に利用されるからである。
ただ、悪意の嘘が環境に左右されるかもという状況はあると思う。
現在のツイッターは嘘をつきやすい環境である。
その為には、やはり厳罰主義でなくては制御できないだろう。
いろんな理想論はあるだろうが、やはり人間は嘘をつく動物である。
残念な気もするが、しょうがないとも思う。
社会を正常に動かしていくには、アクセルとブレーキが必要だと強く感じている。