蝶ヶ崎トンネル

淡嶋神社への道

淡嶋神社 一の鳥居

淡嶋神社 境内

淡嶋神社


番地は長崎市向町395、式見の蝶ヶ崎トンネルを抜けたすぐの右手の小山の上にある。
 
神社に行く路はトンネル横の車が通れる急勾配の坂を行くか、町側にある昔ながらの一之鳥居をくぐり石段を登るかだ。
 
境内は広く、社殿は木々に囲まれしっかりと作られている。
 

淡嶋神社由緒記の看板

入り口には淡嶋神社由緒記の看板がある。
 
それによると創建は1615年。
 
広助さんのHPには、正徳2年(1712)式見浦の郷士:森嘉兵衛によって創建されたものとある。
 
言い伝えによれば、郷士森嘉兵衛の夢枕に三夜にわたり現われ、霊夢のお告げにより海中よりご神体を引き揚げたといわれています。その御神体は石坐像の金彩色本地観音です。もともとは現在地の北側下段にありましたが、昭和38年(1963)山頂にあたる現地に約600坪を造成して修練道場と共に再建されたものです。広助さんのHPより
 
創建の時代がかなり違うが、古いことは古い。
 
伊能忠敬の測量日記(1812年)にも、式見本村の人家下。左に番所。前川尻巾十間(18.18m)。左に淡島大明神社(淡島神社)と記述があった。
 

拝殿

神殿

神殿

左の小さな神様がスクナヒコ

スクナヒコ

祭神は少彦名命である。
 
少彦名命は大国主命と日本中を回り、日本設立のために尽力したと言われる神様だ。
 
淡嶋神社は女性の神社と言われるが、本来少彦名命は国造りの協力神、常世の神、医薬・温泉・禁厭(まじない)・穀物・知識・酒造・石の神など多様な性質を持つ神様。
 
ある時ふらりとやってきて、国造りの仕事が終わるといつの間にか去ってしまった神様で、女性の神様ではない。
 

淡嶋神社

しかし淡嶋神社の女性の味方という信仰は根強い。
 
全国にある淡島神社・粟島神社・淡路神社の総本社は和歌山県和歌山市加太にある。ここでは人形供養が有名だ。
 
淡島神は住吉神の妃神で、婦人病にかかったため淡島に流され、そこで婦人病を治す誓いを立てたとする伝承から、女性の神様となったようだとされている。
 
このアワシマ神は古事記の神生みに出てくる。
 
イザナギ・イザナミが最初に生んだのが、ヒルコ。その次にアワシマが生まれたのが、この二人は不具の子で、葦船に乗せ海に流したと書かれている。
 
不思議な話で、いつの間にかアワシマは日本に戻ってくる。
 
つまり漂流神になったのである。
 
このアワシマは様々な展開をして、いつしか小人の神、スクナヒコと混合されていく。
 
式見の淡島神社の起こりにも、海中よりご神体を引き揚げたとあるが、式見という海岸地域とすれば、海岸に流れ着いた漂流神を祀ったのが本来の姿と思われる。
 

境内

近海丸殉難者之碑と慈母観音像

 
境内には「近海丸殉難者之碑」がある。
 
沈没したのは長崎交通船が長崎港大波止-長崎市三重地区間を運航していた木造渡海船「近海丸」(26トン)。三重から式見を経由し、途中で沈没した。
 乗客乗員338人のうち助かったのは65人だけ。定員80人の約4倍の人を乗せていて、荒波を受け右舷に傾きバランスを失って転覆したとされる。
 
さらに慈母観音像(女神像)が設置されている。
 
淡嶋神社の御神体は石坐像の金彩色本地観音と伝えられていて、この像は昭和40年(1965)淡嶋神社新築移転遷宮祭にあわせて建立されたもの。
 
 
この様に淡嶋神社は、式見地域の氏神様として愛され続けていたことがわかる。
 
ユーチューブには淡嶋神社造営落成祝のムービも残っていて、昭和の雰囲気がよく伝わってきた。
 
後世に残すべき貴重資料映像 長崎市式見町 淡嶋神社 造営落成祝 奉納踊 期日 昭和40年4月11日 撮影 永田 勝、筒井 8mm 4:3 (スタンダードサイズ)
 
 

式見の由来

文禄元年(1592)の「文禄の役」の際、大村喜前に従って朝鮮出兵した福田兼親(19代)、兼重兄弟でしたが、特に弟の兼重の活躍は見事で旗奉行に任ぜられ、文禄4年(1595)には樒、今村の230石を賜り、慶長元年(1596)樒を式見とし自らも式見兼重を名乗ります。
 
肥前国彼杵郡樒浦は江戸時代には大村藩領式見村で、明治4年(1871)大村県経て長崎県に属し、明治11年(1878)西彼杵郡式見村で、明治22年(1889)市制町村制が引かれ式見村として本村郷に村役場が置かれます。
 
昭和37年(1962)長崎市に合併します。
 
この歴史から見て、福田氏の力が大きいことがよく分かる。
 
記録から見れば戦国時代からだが、当然その前も式見は漁港として栄えていたのだろう。
 
淡嶋神社のそばには乙宮神社もあり、沖には神楽島もある。
 
古代より海の信仰の地域だったのだ。
 

淡嶋神社からの風景

淡嶋神社の風景