トランス脂肪酸が入っているマーガリンを食べる理由
朝、食卓で食べるトーストに塗るのはマーガリンで、おかずで出てくる白身魚のムニエルはバターを使っています。
その理由は、当然値段です。 そして、あのバターの堅さも理由の一つです。
バターはマーガリンの倍ほどの値段の高さです。
毎日食べるトーストに塗るのは、バターが美味しいのはわかっています。
むかし学生時代、東京の喫茶店のモーニングについてきたのはバターでした。
厚切りのパンを焼いてバターがひとかけら乗って出てくる。 そのバターがトーストの熱でとけて、その香りは素晴らしく、トーストがこんなに美味しい食べ物だって、田舎者の僕は感心したんです。
そうです。僕たちは味はわかっているんです。
しかし、日々の生活の中で、子供達と囲む毎日の朝食はマーガリンでいい。
みんなギリギリまで寝ていて、お母さんに追い立てられるように、目をこすりながら食卓につく子供達。
トースターからポンと上がる食パンに塗るのは、柔らかいマーガリンでした。
少ない給料で、生活を楽しむマーガリンの登場は、庶民が望んだことだったのです。
バターとマーガリンの違いは、バターは動物性脂肪で原料は牛乳ですが、マーガリンの原料はコーン油、大豆油など植物性脂肪です。
マーガリンにはマーガリンとファットスプレッドの2種類があり、油脂含有率80%以上をマーガリンと呼び、油脂の割合が80%未満のものをファットスプレッドと呼んでいます。
僕たちが、安い値段で購入しているのは、ほとんどマーガリンではなくをファットスプレッドと呼ばれるマーガリンの一種です。
マーガリンとファストブレッドは加工しているバターのような物なので、植物性の油以外にいろんな添加物がたくさん入っています。
現在話題になっているトランス脂肪酸ですが、マーガリンやショートニングなどの加工油脂およびこれらを原料とする食品、そして牛乳・乳製品、反すう動物の肉や精製植物油などに含まれます。
ネットで調べると、加工品のマーガリンに多量に入っているというニュアンスで書かれているものも多いのですが、天然のバターにもトランス脂肪酸は入っています。
天然物にせよトランス脂肪酸の働きは同じなんです。
日本国内に流通する食品で100g当たりのトランス脂肪酸の含有量が最も多いものは
ショートニングの13.6g、続いてマーガリンおよびファットスプレッドの7.0gです。
バターには3.3 g入っています。
ネットには、人口の物は危ないけれど天然のトランス脂肪酸は大丈夫という、根拠のない文章も多く、噂話の域を出ていないレベルです。
やはり詳しくは、正式発表されている資料をみて、判断した方が良いと思います。
ネットの検索で出てくるページは、ほとんどこの資料のコピペかリライトです。
農林水産省 すぐにわかるトランス脂肪酸 http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/
トランス脂肪酸が話題になった理由は、海外の発表です。
●米食品医薬品局(FDA)、2018年6月からトランス脂肪酸の食品添加禁止を発表
●世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)はトランス脂肪酸の摂取量を、1日に摂る総カロリーの1%未満に抑えるよう勧めています。
●米マクドナルド-調理油切り替え遅れ和解金9億円支払い
確かに体に良くない物質のようです。
国策として、素早く農林水産省がホームページを出して解説しているのも、この事を懸念してのことだと思われ、日本のメーカーも、敏感に反応していて対策を立てているようです。
マーガリンVSバターは、当然バターに軍配が上がります。
偽物が本物にかなうわけはありません。
しかし、工夫を重ねて庶民にバター風味を提供した企業の努力は、簡単に切り捨てることは出来ません。
トランス脂肪酸だけではなく、それ以外の有害な物質は世間に溢れています。
天然のものが安全かというと、そういうわけでもなく、世間の風評を鵜呑みに出来ません。
結論としては、覚悟を決めて食べるということでしょうか。
杞憂という言葉があります。
意味 杞の国の人が、天が落ちてきたり、大地が崩れたりしないかと、あり得ないことを心配して、夜も眠れず食事も食べられなかったという故事
地震や津波が起きる日本では、いつ災害に遭うかわからないので、
杞憂の故事も絵空事ではありませんが、やはり正しい情報で選択していくことが、大切かなと思うのです。