稲佐山は2つある
長崎市内を一望できる稲佐山は夜景で有名だ。
平成24年10月5日、(一社)夜景観光コンベンション・ビューロー主催の「夜景サミット2012 in 長崎」において、長崎の夜景が香港、モナコと並び、「世界新三大夜景」に認定されました。
すごいなーと思ったが、認定した「夜景観光コンベンション・ビューロー」という会社が埼玉県にある夜景鑑賞士検定なんかをやっている会社で、世界遺産なんかとは全く違う事にがっかりした。
「稲佐」という地名は珍しく、有名なのは出雲大社の「稲佐の浜」である。
そのせいで、私もいろいろ稲佐の事を調べている。
江戸時代から景勝地として浮世絵にも描かれていて、長崎市内にとって欠かすことの出来ない場所である。
さて稲佐山の名前だが、長埼文献社の新長崎年表には
貞観三年(861)この記録として「肥前国正六位稲佐神に従五位下を授けられる(三代実録)、肥前古跡記によれば稲佐神の祭神は百済国聖明太子、空海人唐の折、稲佐山に上って怪異あり寺を創して海蔵庵と号す」
この一文がある。
この中の「稲佐神」の名称により、色んな人が長崎の稲佐山のことだと信じていたと思われる。
ところがよく調べてみると違うのだと思った。
この記録にある稲佐は佐賀県杵島郡にある稲佐山の事だったのだ。
「えっ、佐賀に稲佐山があるの」と言う長崎人は多いだろう。
大阪や東京のことはよく知っているのに、隣の佐賀県のことはよく知らないのだ。
私も確かめに行った。
いやー佐賀県の稲佐神社は由緒もあるし、古文書に書かれている事は佐賀の稲佐山ということがはっきりわかった。
それじゃ長崎の稲佐山は、なぜ稲佐山と名付けられたのかが、今度は逆に謎になった。
こいつは当分楽しめそうだ。