アチャバカの桜
アチャバカとは稲佐悟真寺国際墓地の事である。
アチャとは中国人の事で、昔、中国人を「アチャさん」とよんでいたことに由来する。
長崎にある3ケ所の国際墓地の中で、最も古いお墓だ。
最初は慶長7年(1602)唐人墓が最初に造られた中国人墓地だった。
その後、出島オランダ商館のオランダ人墓地、1858年にロシアから艦隊が来航した際、病死した船員を葬るためのロシア人墓地が造られた。
その後もポルトガル、アメリカ、イギリス、フランス人が葬られる。
全部で千体以上が埋葬されているらしい。
これら外人の墓の中で、丸山遊女の名前が隅っこに記されているものが、2つ見つかっている。
異人さんと遊女の恋の結末である。粋なもんだ。
今、国際墓地では桜が満開である。
墓地なので沢山ではないが、大きい桜のトンネルを歩くのは風情がある。
異国の人たちもこの日本で永眠していることを思えば、この桜が供養になるかもしれないと思う。
墓地なので花見を勧めるわけではないが、近くを通ったら、国際墓地の階段を上がってみるのもいいと思う。
後一週間ほどの桜の命である。
私はこの桜が散るまで、桜の階段を歩こうと思う。