長与 日枝神社と白髭神社
場所は長与港の長与町総合公園 ふれあい広場の近く。
神社から海が見える。
背の低い鳥居の神額には白髭神社、日枝神社と並べて書かれている。
狛犬が配置されている場所には、石塔とその上に肥前狛犬らしきものが乗っている。
肥前狛犬とは佐賀県と福岡県、長崎県、熊本県の一部に分布しており、16世紀後半から18世紀後半(160~170年間)に制作されたもの。
素朴すぎる狛犬に目が行く。
創立は正保3(1646)年、祭神は武内宿弥、大山咋命(おおやまくいのかみ)。
大山咋命は大山に杭を打つ神、すなわち大きな山の所有者の神をいう。
近江国の日枝山(ひえのやま、後の比叡山)に鎮座しているので日枝神社と名付けられている。
日枝神社は長崎市内にはなく、琴海あたりに二箇所あるようだ。山の神様なのに長与では海のそばである。
少し違和感がある。
白髭神社の祭神は武内宿弥だということは、当然神宮皇后伝説から来ているのだろう。こちらの方は無理がない。
日枝神社と白髭神社の創建の由緒が不明なのだが、この地域は大村藩の管轄だったと思う。
大村は日本初のキリシタン大名であり、その傾倒ぶりは、神社仏閣の破壊でも名を轟かせている。
想像だが、どこかにあった日枝神社がキリシタンによって破壊され、この場所にあった白髭神社に合祀されたのではないだろうか。
この神社の屋根には、飾りの唐獅子がある。
基本、神社の屋根には飾りはない。たぶん、ここは神仏混合の神社だったのだろう。
あと一つ、神殿の入り口にもしめ縄が張ってあった。これは珍しい。
神様が二人いるからだろうか。
想像だけの推理である。