長崎、金刀比羅神社 古代長崎の信仰と歴史を秘める

金刀比羅神社

こんぴら山にある金刀比羅神社
 
このこんぴらという文字が、さまざまあって戸惑う。
 
山は金比羅山、神社は金刀比羅神社である。
 
「こんぴら」は、もともとガンジス川に棲む鰐(クンビーラ)を神格化した水神だから、すべて当て字だ。
 

女神「ガンガー」(クンビーラ) 岡本大助の神話の世界 http://daisukeokamotoyorozu.blog.fc2.com/blog-entry-43.html

 
本家本元は香川県仲多度郡琴平町の象頭山にある。ここに金刀比羅宮(ことひらぐう)という。
 
金刀比羅宮の由緒についてはいくつかの説があり、大物主命が象頭山に行宮を営んだ跡を祭った琴平神社から始まり、中世以降に本地垂迹説により仏教の金毘羅と習合して金毘羅大権現と称したとするものである。
 
これを読めば、神社は琴平神社、仏教では金毘羅大権現という事になる。
 
ベースになる信仰が「大物主」である。
 
「大物主」は古事記、日本書紀に登場するが、奈良県の三輪山信仰の主人公で、大和と同列の一族である。
 
この神を起点とするのが金刀比羅信仰になる。
 
金刀比羅神社は海上交通の守り神として信仰されており、漁師、船員など海事関係者の崇敬を集める。
 
様々な言い伝えや、解説は多種多様ある不思議な信仰だ。
 
しかし民衆の間では、海や川の見える山に鎮座して、海人たちを見守るとして、信仰は絶えることがなかった。
 
長崎もそうである。
 

長崎の金刀比羅神社

金比羅山

金刀比羅神社 上宮

長崎の金刀比羅神社は金比羅山(標高366メートル)中腹にある。
 
本体は山の頂上にあり、大岩につながり鎮座している。
 

金刀比羅神社上宮から見た長崎市内

 
下宮は、きれいな神社として建て替えられていて、、下宮の奥には広場もあり、ハタ上げなどが楽しめる、市民の憩いの場になっている。
 
この下宮の神社に立札があり、「天孫降臨伝説」がこの長崎にあるという説明があった。
 
これに驚いた私は、かなりの長文を書く事になる。
 
金比羅山 謎の天孫降臨伝説を追え(1)~(13)
https://artworks-inter.net/ebook/?p=393
 

天孫降臨伝説

 
 
長崎港の古名、「瓊杵田津(にぎたづ)」。長崎氏の祖先、丹治一族。神功皇后伝説などと、広範囲に推理が展開していってしまった感はあるが、本格的に長崎を調べている。
 
その為、何度も金比羅山を訪れる。
 
その時の写真とムービーである。
 
金比羅山 写真
https://artworks-inter.net/ebook/?p=532
 
金比羅山 ムービー
https://artworks-inter.net/ebook/?p=374
 
 
さらに、あの「こんぴら船船」という歌にある、「シュラシュシュシュ」の謎を追いかけた文も最近書いている。
 
金比羅とキラと修羅シュシュシュ
https://artworks-inter.net/ebook/?p=5044
 

金刀比羅神社

金刀比羅神社

興味の尽きない神社である。
 
古代からの歴史がある神社で、長崎人にしてみれば大切な神社だと思う。
 
神社は整備されていて、秋の紅葉は素晴らしい。
 
周辺には、金星観測の地や、三菱の信仰も確かめられ、歴史に興味のある人にはうってつけの神社である。
 
まだ行った事のない人には、ぜひともお勧めしたい。
 

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