プロカメラマンが心霊写真の謎を解く?
写真撮影を生業としている私は写真のことは詳しい。
当たり前だが、今のように簡単に写る時代ではない時代からやっている職人である。(やや自慢が入っているが)
そこで心霊写真だが多少のトリックはすぐわかる。
ネガに加工したアナログ処理のトリックを見抜くのは、わけがないと言っても過言ではない。(昔のプロカメラマンなら同じ事を言うだろう)
ただし今はデジタル処理がほとんど完璧に出来るので、現代の写真は検証のしようがない。
(裁判所でも、特定の条件でもない限りデジタル写真は証拠にならない。それほど今の写真は信用できなくなってしまった)
昔、心霊写真としてテレビに取り上げられた写真のほとんどが、レンズの乱反射だったり、二重撮り、現像ミス。
込み入っていてもネガの修整だった。
しかし、それはそれで娯楽として楽しめる。
名探偵シャーロック・ホームズの小説家アーサー・コナン・ドイルも細工された妖精写真を信じ込んだ話しは有名である。
それ以外にもくらい場所でのフラッシュ撮影や長時間露光の写真は不思議な写真が撮れるのである。
だが、僕が見てもどうしても細工が分からないものがあったのだ。
昔の写真で体の一部が透けて背景が写っている写真である。
もちろん様々な条件の下に、トリックを排除しての写真の場合である。
今はネガをスキャンすればその程度は簡単にできるのだが、その写真は昔の印画紙に白黒で写っている家族写真のお父さんの姿が半分消えている写真だった。
(その写真を見せられないのが残念である。心霊とは思わないが不思議な写真である)
昭和20年ほどの写真で、印画紙はその当時のバラ板紙、フラッシュもあたっていなく、ぶれもない。
トリックの要素は皆無(と思える) 。
もしかしたら巧妙なトリックなのかも知れない疑惑はぬぐいくれないが、体が透けて見える現象が科学的にあるかも知れないと、心密かに思っていた。
体が透けて見える写真は、フラッシュや長時間露光のぶれ、多重露光、印画紙にプリントする時のミスやトリックなどがある。
昔のフィルムは感度が低いため(ISO100以下)、シャッター速度が遅く、急に体を動かすとぶれて、体が透けて写ることもある。 (現在デジタルカメラになって、心霊写真があまりテレビに出てこなくなったのは、どんなに不思議でも画像処理といわれてしまうことにあると思う。またはフィルム操作やカメラの不完全さ、現像、プリントなどが原因だと思われる。)
心霊写真の解明と再現
そんなおり、NHKの番組で超自然現象を扱ったスペシャル番組を見て、一つの可能性を見つけた。
科学でどこまでわかるのか。“超常現象”、NHKスペシャル取材班の挑戦
超能力や心霊現象を信じるかといえば、信じがたいというしかない。
しかし、真っ向から否定する気もない。
科学的な説明が存在するならなるほどと思う。
それは人間の進化や、アイシュタインの時間の考え方をしれば、まだ知らないだけなのかなと思うのである。
僕が体が透けて見えることもあると思った説明が、「量子論」という学問である。
ものを構成している量子と呼ばれるものには、常識など通用しないからである。
ただし、僕は科学者でもなんでもなく、聞きかじりの話しなので科学の専門家の人にはここで謝っておくことにする。
有名な話しには「シュレーディンガーの猫」というものがある。
思考実験で観察するまで「生きてもいないし死んでもいない状態」の猫が存在するというものである。
また、本来絶縁すべき層を電子がくぐり抜けてしまう「トンネル効果」と呼ばれる原理。
極小の量子の世界では一つのモノが同時に異なる場所や異なる状態で存在しうるという考え方が、超自然現象や心霊現象にも、もしかしたら影響してるかも・・と考えてしまっている。
また余剰次元(Extra Dimension)「空間3次元・時間1次元」を越えた5つ目以降の次元空間の存在。これらの余剰次元を持つ理論体系の研究は進んでいるが、いずれも実験的な証拠を得ていない。しかしほら話でないことは事実である。
これが、透けて写るという現象が科学的にあり得るという短絡的な考えの結果を私に与えてしまったのだ。
疑似科学や「ムー的論法」を正論として語る気はない。
しかし、テレビや本で知りうる「量子論」は実に魅力的なのだ。
これなら、心霊とか祟りとかはまったく関係なくなってしまう。
いや、祟りとか祈りなど宗教も量子論でなっとくできるかも・・。