タイムマシン完成 Ⅱ

天才的な頭脳を持った博士がいた。
 
彼はついにタイムマシンを完成させた。

「やったぞ、アインシュタインの相対性理論から、導き出された方法で時間旅行の夢を実現させたぞ」
 
彼の研究室には人間が入れるような、卵形の機械がおいてある。
 
「まずはテストだ。まずは100年後の未来に行くとしよう」

タイムマシンが高速で回転し始めた。
 
こうする事で、タイムマシンの中に存在するものの時間が極端に遅くなるのだ。
 
今回の設定では、タイムマシン内の時間は、地球時間の1年が1分で進む。
 
博士にとって1分が、地球時間の100年に相当するのだ。
 

「100年後の未来に着いたぞ」
 
そういって、ドアを開けたとたん強烈な海水がタイムマシン内に入り込んで、博士は水中でもがいた。
 
日本では、今から90年後大規模な地震が起こり、博士の研究所は地面ごと陥没して海になったのだ。
 
博士のタイムマシンは、コロコロと転がり深い海の底に沈んでいたのだった。
 
「しまった。タイムマシンを防水にしておけばよかった」
 
そう最後の言葉を吐き出しながら
 
博士は海底の中で、もがき苦しみながら窒息して死んでしまった。

何事もやってみないとわからないことが多いものである。