嬉野の豊玉姫神社
先日佐賀嬉野の豊玉姫神社に参詣した。
作りも古く、解説では「嬉野の地で古くから宗廟の神社と尊崇されている神社」とあった。
佐賀県嬉野市:豊玉姫神社 (嬉野市):祭神は豊玉姫大神・住吉大神・春日大神。
嬉野の地で古くから宗廟の神社と尊崇されている神社。海神の娘で、竜宮城の乙姫・豊玉姫を祀る。境内には、豊玉姫の遣いとされる白なまずを祀ったなまず社もあり、美肌を願う女性が参拝するという。佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙2231-2アートワークス版権フリー写真 豊玉姫神社
http://freephoto.artworks-inter.net/2019toyotama/kaisetu.html
宗廟とは氏族が先祖に対する祭祀を行う廟の事である。
という事は、天照大神を中心に皇祖神を祀っていた神社だったんだろう。
実際、天照大神の大きな石碑がある。
この神社の縁起には、1573年に戦火のため焼け、1615年に社殿を再建し鍋島藩藩主鍋島直澄の祈願所になったと書いている。
豊玉姫神社は全国にあるが、この嬉野の神社はウィキペディアには載っていなかった。
となれば、豊玉姫を祀ったのはかなり新しいかもしれない。
神社縁起には嬉野川の守り神の「ナマズ」の話が書いている。
その白い「なまず様」が祀られていて、この場所に来て白なまずの像をなでたり、水掛けをすれば、美しい肌の女神のご利益が授かるといった宣伝文が多い。
なんとなく嬉野温泉の商業ベースの臭いがすると思うのは僕だけだろうか。
境内内には本殿以外に両脇に堂が2つあり、祭神は明記していない。
左手のお堂にはスサノウの説明があり、おそらく天皇家の祖先神を祀っていたと思う。
お堂の裏には、大己貴神(オオナムチ、大国主命)、八天狗、天照、金毘羅などの石碑や祠があり、舞台がある。
いろんな神様が祀られているのは、やはり鍋島藩の祈願所だからであろう。
豊玉姫
豊玉姫は色んな憶測がわいている女神様である。
ウィキペディアには、神武天皇(初代天皇)の祖母と最初に明記している。
更に海神(わたつみ)の娘で、竜宮に住まいする。真の姿は八尋の大和邇(やひろのおおわに)であり、異類婚姻譚の典型として知られるとある。
大ワニが、私達が知っているあのアマゾンのワニではなく、ワニザメだと言われているが、あのアマゾンのワニだという説もある。
いずれにせよ、海神(わたつみ)と呼ばれている大和以外の一族が、天皇に大きく絡んでいることは、注目に値する。
豊玉姫の名前に「トヨ」が入っている事にも注目が集まっている。
例えば、あの邪馬台国の卑弥呼の次の女王は、台与(とよ)と言うし、伊勢神宮の下宮の神様は、豊受(とようけ)大御神という。
卑弥呼、台与(とよ)という流れに対して、伊勢神宮の天照、豊受(とようけ)は、興味深い対象だ。
嬉野の場所には、現在古墳は発掘されていない。その事を考えても、この豊玉姫神社は、大和神話とは関わりが薄いと思う。
古代より温泉地で、人の往来もあり交通の要所と保養地として発展を続けた地域で、最近も温泉へ行ったが山も多く静かな場所だった。