赤い糸伝説は「へその緒」
長崎県長崎市にはランタンフェスティバルという催しがある。
中国の旧正月を祝う行事「春節祭」を起源とするとして、新地中華街をはじめ、各所に約15,000個にも及ぶのランタン(中国提灯)や、大型オブジェが飾られ、街をあげて大騒ぎをする観光客向けのイベントである。
そんな長崎の繁華街の老舗デパートの横に、「月下老人」のランタンが飾られている。
そのランタンの横に、縦に白いひもが並べられ、その白いひもに、赤いひもがくくられている。
このランタンを眺めていると、若い女性が一生懸命、赤いひもを括り付けていた。
何かなと思い調べてみたら、赤い糸のお守りで、願掛けしているのである。
良縁祈願だそうだ。
ふーん。
月下老人
良縁祈願、縁結びなどは、若い女性をターゲットにして、どこにでもある。
ランタンフェスでは、この中国の月下老人(「月老(ユエラオ)」とも)を、良縁祈願のランタンとして、配置しているのである。
月下老人とは唐の韋固(いご)が月夜に会った老人から将来の妻を予言されたという「続幽怪録」の故事からきていて、男女の仲を取り持つ人となっている。
まあ、人の運命の不思議さを赤い紐(糸)に例えているのは、すべての人の実感であろう。
運命の赤い糸
この事はウィキペディアにも載っている。
運命の赤い糸とは、中国に発し東アジアで広く信じられている、人と人を結ぶ伝説の存在である。中国語では「紅線」と呼ばれる。ウィキペディア
なるほど。
アジアは中国王朝が文化の牽引国だから、中国発祥で間違いないだろう。
アジアではそうだが、赤い糸に力があるという考えは世界各地に見られる。
トーラー(ユダヤ教の聖書)やハラーハー(ヘブライ語でユダヤ法)、あるいはカバラ(ユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神秘主義思想)にもこうした習慣への直接の言及はないが、一般にはカバラに基づいた伝承とされ、ベツレヘム近郊のラケルの墓所には今も参拝者が巻いた赤い糸が多数見られるそうである。
仏教国の中には、右手首に赤い糸をお守りとして巻くところもある。
日本では千人針に赤い糸が使われていた。
まあ、運命という不思議な考えを、各地域で霊的に解釈した結果だと思う。
西洋では「双子の炎」(ツインフレーム)とかソウルメイトなどともいうらしい。
ただ、一神教の世界では、運命は絶対神の意図なので、「運命の赤い糸」伝説は、一神教信者の中には起こりえないと思う。
へその緒
紐と紐が人間を結び付けている。そしてその紐は赤い。
この事から推理すれば、それはへその緒である。
赤ちゃんが生まれてくる時、お母さんと赤ちゃんは、へその緒でつながっている。
そして、赤ちゃんもへその緒も、出産時の出血で赤く染まっている。
これだと思った。
もちろん、これは私の推理である。学者の人の裏付けなどは全くない。
運命の赤い糸は、小指に結ばれているというが、「月下老人」の話には、男女の足首に決して切れない縄を結ぶという。
日本も、時代が経つにつれて「足首の赤い縄」から、「手の小指の赤い糸」へと変わっているが、最初は紐である。
赤ちゃんが生まれてくる時、へその緒が体などに巻き付いている場合があるという。これを臍帯巻絡というらしいが、巻き付く頻度は、すべてのお産の中の20~25%といわれているという。
昔の人は、へその緒が巻き付いてくる赤ちゃんを見た時、運命の赤いひもだと思ったのではないのかな。
ただの妄想である。
この文章は、アートワークスHPの「ランタンフェス月下老人の赤い糸とは「へその緒」か」とほぼ同じ内容です。
https://artworks-inter.net/2020/02/03/ランタンフェス月下老人の赤い糸とは「へその緒/