日本と朝鮮半島(3) 朝鮮半島縄文人の共同体意識の芽生えが支石墓
朝鮮半島での旧石器時代(1万年前)は紀元前8000年頃に終了している。ウィキペディア
その後櫛目文土器時代がくる。朝鮮半島において、櫛目文土器は4000年前くらいから現れるようになる。ウィキペディア
なぜだろうか。
気候の変化
これは、日本が約1500万年前に日本海が拡大し、大陸から切り離された事が大きいだろう。
もう一つ、大事な要素に気候というのがある。
今から8000年前頃には日本海に対馬海流が本格的に流入しはじめ、朝鮮半島の気候は現在に近いものとなったという。
朝鮮半島は日本に近いけど緯度は高い。
現在の朝鮮半島は大陸性気候だが、南部の海岸地方は海洋性気候の影響を受けていて、南部の気候は温帯。北部は大陸性の亜寒帯気候で、夏は涼しく冬の寒さが厳しい気候である。
8000年前以前は、半島のほとんどは大陸性気候で寒い地域だったのだ。
人があんまり住みやすい場所じゃなかったので、住む人が少なくて当然だ。
そして8000年前以降、南部の気候は温帯になる。
朝鮮半島最古の土器は、紀元前6000年頃に製作された「隆起線文土器」で、土器の出現と気候の変化が関連しているのがわかる。
明確な結論は出ないが、一万年前まで旧人が住んでいたが、一万年前は氷河期で、気温は現在の気温より7~8度低く、火山活動も活発だったと考えられている。
そして旧人は滅び去ってしまった。
8000年前頃には日本海に対馬海流が本格的に流入し、南部は温帯になった。
そして、紀元前6000年頃に「隆起線文土器」が発掘されている。
年代の幅は研究者によって違うが、空白時代があったのである。
紀元前6000年頃の「隆起線文土器」を作ったのは、誰かという問題である。
この問いをAIに聞いてみた。
朝鮮半島で紀元前6000年頃に作られた「隆起線文土器」は、縄文式土器です。縄文人が日本列島から朝鮮半島にこの時期にわたったことが推定されています。
これが現在の回答である。
ここが問題の中心だ。
旧石器時代が終わって、すぐに櫛目文土器時代が来たわけではないようだ。
その間4000年が空白なのである。
朝鮮半島の歴史を調べてみる。
櫛目文土器時代 8000 BC-1500 BC
無文土器時代 1500 BC-300 BC
となっている。
私が知りたいのは、無文土器時代時代の事なのだが、やはり、不明になっている。
ただ青銅器文化が広まったことは事実である。
無文土器時代には中国東北部(満州)の青銅器文化が朝鮮半島に流入し、大きな文化的痕跡を残した。
日本ではどうだろうか。
AI 日本における青銅器文化は、稲作が本格的に始まった弥生時代(1世紀頃)に現れました。
朝鮮半島では無文土器時代前期末頃には朝鮮半島で青銅器の鋳造生産が始まったことが出土した鋳型によってわかっている。
ここでも、弥生時代の開始時期がキーポイントになっている。
支石墓
無文土器時代のもう一つの大きな特徴として、支石墓が多数建造されるようになることがある。これもまた青銅器文化とともに中国東北地方から流入したものであり、朝鮮半島では2000以上の遺跡が見つかっている。全羅南道が分布の中心であり、全体の約半数が集中している。
朝鮮半島では紀元前500年頃(無文土器時代)に見られ、遺構は半島のほぼ全域で見られ(約4-6万基とされる)、世界の支石墓の半数が朝鮮半島にあるといわれている。
支石墓(しせきぼ)は、ドルメンともいい、新石器時代から初期金属器時代にかけて、世界各地で見られる巨石墓の一種である。基礎となる支石を数個、埋葬地を囲うように並べ、その上に巨大な天井石を載せる形態をとる。ウィキペディア
要するに弔いの形が出来上がっていたという事である。
AIは支石墓は、埋葬の儀式や墓地の配置が宗教的な儀式や信仰体系に基づいている地域で一般的でしたとある。
古代に現代で定義される宗教があったとは考えられないので、死者への鎮魂のためかと思われる。
日本ではどうかというと
日本では中国浙江省の石棚墓群とよく似たものが縄文時代晩期の長崎県に出現しており(原山支石墓群や大野台支石墓群など)、同県のものに特徴的な屈葬や箱式石棺を伴う。日本の支石墓は、弥生時代前期が終わる頃に、ほぼ終焉を迎えている。ウィキペディア
縄文時代晩期となると、日本列島のほうが古い。
ここでも、縄文と弥生の線引きが重要になってくるが、周りと同じ埋葬をする集団がいたのである。
村意識とでも解釈してもいいかもしれない。日本列島からやって来た縄文人は、異国の地で、共同体意識を高まらせていたとも思う。
という事は、朝鮮半島に違う民族が入って来たので、縄文共同体意識が高まっていったとも考えるのだ。
ここでも、縄文人の文化的な変化が想像できる。
“日本と朝鮮半島(3) 朝鮮半島縄文人の共同体意識の芽生えが支石墓” に対して1件のコメントがあります。