人類と戦う西洋のロボットストーリーと鉄腕アトム
日本のアニメが世界中で人気である。
理由は様々だが、いちばんは絵柄やストーリーのクオリティの高さだと思える。
昭和生まれの私たちは、ロボットといえば鉄人28号、鉄腕アトムである。
それ以外にもマジンガーZやドラエモン、ガンダムも忘れちゃいけない。
西洋ではどうかといえば、特筆すべきヒーローロボットがいない。
ただサイボーグになるとロボコップとかブレードランナーがある。
また、人工知能(AI)が人間と戦う作品となると、ターミネーターやアイ ロボットを思いつく。
映画ファンの人なら、さらに多くを挙げることができるだろう。
ここまで書くと、この文のテーマが見えてくる。
西洋のロボット
西洋のロボットは、反乱を起こして人類と敵対するストーリー、日本のロボットは徹底的に人間の見方である。
もちろん例外もある。鉄人28号は「良いも悪いもリモコン次第」で、人間によって善悪が変わるという設定だ。
さてこの西洋と日本の違いは何だろうか。
西洋にはロボット三原則というものがあるという。
ロボット三原則
1.ロボットは人間に危害を加えてはならない。
2.ロボットは人間から与えられた命令に服従しなければならない。ただし、命令が第一原則に反する場合は例外とする。
3.ロボットは第一原則と第二原則に反する恐れのない限り、自己を守らなければならない。この三原則は、ロボットSFを多く書いた小説家アイザック・アシモフの作品から導かれたものです。アシモフは1950年に発表した名作『われはロボット』(I, Robot)の冒頭部分で、この3原則を提示しました。
1950年代といえば、アメリカの黄金期で、ソ連との冷戦も思い出す。
この時代から、西洋ではロボットを制御しようと考えていたようだ。
そしてその奥にはロボットはいつか人間に反抗するという恐れがあったようだ。
日本の鉄腕アトムも1952年から連載が始まっている。
その時の日本は戦争に負け、奇跡の復活劇の助走時期にあった。
その後日本は高度成長期に突入する。アメリカ生まれの産業用機械は日本にわたり、日本人の工夫により、人間の縁の下の力持ちとして大活躍をする。
やはり、この経験が日本人と機械の関係を強固にしたといえるだろう。
機械は日本人にとって絶対的な味方であり、優秀な仲間である。
ソニーのラジオ、松下電器の家電、トヨタの車など、世界に日本の力を見せつけた代表的な製品だ。
だから、鉄腕アトムは、当然人間の味方であり友だったのだ。
奴隷制度
西洋はどうかといえば、大航海時代という劣悪な植民地政策から繁栄はスタートした。
そして、人類最大の愚行、有色人種の奴隷化に手を染める。
奴隷は白人のロボットであり、しもべである。
ここでアシモフのロボット三原則を思い出す。
1.ロボットは人間に危害を加えてはならない。
2.ロボットは人間から与えられた命令に服従しなければならない。
このロボットという文字を奴隷に置き換えると、さらにはっきりする。
アフリカの奴隷制は15世紀から始まり19世紀まで続いている。
なんと400年間、奴隷制度は西洋で正当化され続けていた。
黒人の高い身体能力は、白人にしてみればロボットのパワーだったのだ。
だからこそ、制御する文言が必要だったのである。
人類対ロボットという構図は、西洋人が自ら生み出した悲劇の結果である。
この構図を西洋人は打ち破る事が出来るだろうか。