日本語劣等感は間違いだった

こんな記事に出会った。


語順のルーツは日本語風 ―大昔、言語の語順は…(2012年2月9日 朝日新聞) 

http://ameblo.jp/toyobou36713/entry-11159971519.html

6月30日(米国時間)に『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)に発表された論文によると、
主語(S)、動詞(V)、目的語(O)の順に文章が構成される(例えば「Bill eats cake(ビルが、食べる、ケーキを)」)SVO型言語を話す人であっても、 身ぶり手ぶりでコミュニケーションを取るよう求めると、主語、目的語、動詞の順番で意志を伝えたという。

英語も含めて、人間が使用する言語の約半分では、主語の後に動詞が続く。こうした言語を生まれたときから使用している人には、
「Bill cake eats(ビルが、ケーキを、食べる)」というSOV型の語順の文は、直観に反しているように聞こえるかもしれない。
だが、こうした文章構成の方が、実は人が認識する順番に従っているようなのだ。

これは、言語よりも先に頭に浮かぶ、本来の思考の順番を反映しているのかもしれない。非常に自然であるように思われる」と、
今回の論文の執筆者の1人であるシカゴ大学の心理学者、Susan Goldin-Meadow氏は語る。


どういう事かというと、日本語の語順は特殊ではないということだ。

これまで日本語は難しい言語だといろんな書物でそう教わってきた。

そして、日本人が英語を取得することの難しさも言われ続けてきた。

現に中学生から大学まで英語の授業を受けてきたのに

身についているという感覚も知識もない。

これは、私を含め多くの日本人がもっている劣等感の一つだと思う。


日本が国際化に乗り切れないのは、英語を使う能力が乏しいからだと思っていた。

なぜ、英語をしゃべれないのかというのは、さまざまな先生たちが解説してくれている。

しかし、どう説明されていようが、しゃべれないという思いは消えない。

私個人の域を超えて、英語をしゃべれない日本人は

日本人だけ特殊な言語を使ってきていたと知識によるものだろう。


日本語は特殊か?


ところが、日本語の語順が特殊なものではなく、自然なものだと言う論文が発表され、世界があっと驚いた。

日本語に関して、その特殊性ばかり強調されて、アジアの孤児のような言い方をされてきた。

しかし、どうもそうではないらしい。


言語類型論による調査では、世界の言語の約45%がSOV型言語である。ウィキペディア

日本語、琉球語、チベット語、オランダ語、アイヌ語、朝鮮語、アルタイ諸語、インド・イラン語派、アルメニア語、ドラヴィダ語族、チベット・ビルマ語派、アムハラ語、ナバホ語、ケチュア語、アイマラ語、バスク語、シュメール語、アッカド語、エラム語、ヒッタイト語などがこの型をとる。


日本と関係している言葉は、琉球語、アイヌ語、朝鮮語だろう。

琉球語、アイヌ語は当然理解できる。

問題なのは、朝鮮語だ。

お隣の国なので同じ祖先とも言えるが、言葉はそうではないようだ。

歴史学の見地から考えると、百済、新羅、高句麗では言語体系が異なるという説も存在している。

『三国志』魏書弁辰伝には馬韓、辰韓(秦韓、後の新羅)間においては異なる言語が用いられていたという記述が存在している。

馬韓(ばかん)は、紀元前2世紀末から4世紀中葉に、朝鮮半島南部に存在した部族集団である三韓の一つで、後の百済と重なる場所にあった地域である。

一般的に現在の朝鮮語の祖語は新羅語とされている。


江戸時代から、日本語と朝鮮語の類似性を指摘する研究者はいた。

現在でも日本語の中に、朝鮮語が単発で混じっているのは周知の事実である。

郡(こおり)、畑、奈良はこじ付けがない言葉といわれている。

(何でもかんでも朝鮮語が由来としているという人も多い)

しかし、外来語として取り込まれた域を出ないのも事実である。


たとえば、缶(かん)、お転婆(「手に負えない」ontembaar)などはオランダ語が起源とされている。

だからといって、オランダ語と日本語に関連性がないのと同じである。

現在は、学術的に日本語と朝鮮語は関係がないとされている。

(面白い説では、百済人は日本語を話していたという説がある。しかし反論もある)

日本は主流派

言語の数は、その数え方でかなり変わるらしい。

その結果であろうと思うがウィキペディアでは、世界の言語の約45%がSOV型言語と書いてあるが、今参考にしているページでは約35%となっている。

第6章:世界の言語と日本語
http://www.soc.hyogo-u.ac.jp/ksugai/annai/annai-2004/2004-6.htm
兵庫教育大学で学部1年生向けに開講されている一般教養の「言語」という授業

  SOV型………約45%
  SVO型………約35%
  VSO型………約18%
  VOS型………約2%
  OVS型………僅少
  OSV型………1言語のみ


どちらにせよ、日本語の語順は多数派といえる。

そしてSOV型が、人類の言葉の発生において、自然だという論文も出ている。


さらにアル=サイード・ベドウィン手話の話もある。

日本の手話

アル=サイード・ベドウィン手話(略称: ABSL)は、イスラエル南部のネゲブ砂漠にあるアル=サイード村に住むベドウィン住民の間で使われている独自の手話である。この手話は1990年代末に人類学者の目にとまり、自然発生的に誕生した視覚言語として注目を集めた。ウィキペディア

この手話の語順がSOV型なのだ。

日本語は特殊で世界一難しい言語という説は間違っていたらしい。


英語は優秀な言葉か

この表題は誤解を受けやすいが、英語をしゃべれないとだめだという教育を日本は行っている。

もちろん先進国アメリカやイギリスが使っており、世界の準標準語であることは間違いない。

しかし、言葉としてはどうなのだろうか。


「第6章:世界の言語と日本語」のHPによると

日本語のように文末に疑問の標識付けて疑問文を作る言語と、英語のように主語と述語を入れ替えけて疑問文を作る言語とで、どちらが多いだろうか。
 ここは講義室です  →  ここは講義室ですか

答えは、ご想像の通り、前者の方が多い。

具体的な数字を挙げるだけのデータはないが、文末に疑問の標識付けて疑問文を作る言語は世界の至るところに遍在しているのに対し、主語と述語を入れ替えて疑問文を作る言語はヨーロッパの一部に限られており、圧倒的に前者の方が多いことは間違いない。ここでも、日本語が最多数派に属することを確認しておきたい。


とある。

なるほど、だんだん勇気づけられてきた。


地球規模で言えば日本語が一般的で、英語のほうが特殊。

まあ、そんなに単純ではないが、「日本語コンプレックス」がある人は

少しは解消されたのではないだろうか。

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