4ナンバーアルトバンの旅 南九州車中泊の旅(3)

アイフォンのカーナビに連れられて「鹿児島のくにの松原おおさき」という道の駅に着く。

日はすでに落ちて暗く、道の駅の全体像が見えなくてウロウロする。隅の適当な場所を見つけて止める。

アルパス大崎

温泉

この道の駅を選んだのは、一般が入れる温泉があるからだ。しかも310円と安い。

鹿児島は火山の国である。温泉湧出量では北海道,大分県に次いで第3位とある。泉質は鉱泉であり鉄分が豊富なお湯との事。

風呂ではかすかな硫黄の匂いがする優しい温泉のようだ。

温泉に行く前に、狭いアルトバンの中を片付けシュラフを用意する。食事はコンビニで買ったパンと焼酎の牛乳割り。

カウボーイ

焼酎の牛乳割りは私が長年やっている飲み方である。みんなは気持ち悪いというが、ウィスキーを牛乳で割るのを「カウボーイ」という。これは西部劇のカウボーイではなくアイルランドやスコットランドで昔から自然発生的に飲まれてきた飲み物。

健康にいいかどうか知らないけど、おすすめですよ。

夜は寒くなるので、シュラフを準備。寝支度を済ませ、タオルを持って温泉へ。

小さなスーパー銭湯みたいな所でサウナも有りナイス!電気風呂で体をビリビリさせて、すっかり癒やされてしまった。

車に戻りソニーのラジオを付けながら、残っている「カウボーイ」をちびりちびり。風呂上がりの気持ちよさと運転の疲れでいつしか眠り込んでしまう。

トラブル発生

「鹿児島のくにの松原おおさき」なのだが、いまいち特徴がつかめない。

カブトムシの巨大オブジェクト

道の駅の入り口に巨大なステンレス製のカブトムシが2体オブジェとして置かれている。調べると大崎町がカブトムシ相撲大会が盛んなことに由来しているという。

あるぱす大崎

ふーん

場所は鹿児島の東側にある志布志湾のある海岸近くにある。志布志湾は昔日向国で昔から港として重要な場所だったという。かと言って特別な史跡があるわけではない。いたって平和そうな地域である。

あと名前が面白く、支所名と住所をかけば、志布志市役所志布志支所 志布志市志布志町志布志二丁目1番1号となり、書くのが大変そうだと思う。

さて朝の光の中で見渡せば、道の駅は思ったより広く、多くの車中泊の車が止まっている。やっぱり色んな理由で車中泊は人気のようだ。

引目で見れば我が愛車アルトバンはミニカーのように小さい。

車中泊

最近の車のほうはでかすぎると改めて思う。

アクセサリー電源のヒューズが吹っ飛ぶ

僕はシガーソケットからAC電源が取れるコンバーターを昔から持っている。

今回は家庭で使っている簡単な湯沸かし器が使えないかと思い試してみる。

シガーソケットにこの機械の電気取り込み口を差し込み、エンジンかける。うんともすんとも言わず、通電を示すランプもつかない。

あれっ 駄目なのかなと思い何度か試してみたが駄目なので諦めたのだが、カーステレオもETCの機械のランプも付いていない。

冷や汗が流れた。

いかん。車を壊してしまった。この鹿児島の果で車が壊れるととても悲惨な結果になる。

心を落ち着かせいろいろ考えを巡らす。車のライトやウィンカーは動く。エンジンもかかる。

使えないのはETC、カーステレオ、シガーソケットだけみたいだ。とりあえず出発して、ガソリンスタンドにより、スタッフの人に見てもらおうと思い出発した。

電気の力よりコンロのほうが頼れると再確認

私の拙い知識では、湯沸かし器を試した事によりヒューズが飛んだと思っている。スタンドの人ならヒューズを交換するくらい朝飯前だと思い、少し進んだところにあったガソリンスタンドに寄った。親切なお兄ちゃんが対応してくれたが、このアルトバンのヒューズボックスの場所がわからないので出来ないという。

えーっ!! そんな。

アルトは古いとはいえ、国産軽自動車のパイオニアである。いま日本を走っている車は何万台あるかわからないほどポピュラーな車のはずである。

「わからないので、ディーラーかオートバックスに行けばわかると思いますが」

思わぬ展開に、再度車を進め次のスタンド、更に次に。結局3箇所ともわからないとの事。こんな馬鹿なことがあるだろうか。困り果てて、長崎の車を買った懇意にしている車屋さんに電話する。
「はいはい、どうしました?」
「カーアクセサリーのヒューズが飛んだんですが」
「今何処にいるの」
「鹿児島ですが」
「えーっ、あの車で鹿児島まで行ったの? 長崎を出たら駄目ですよ。何が起こるかわからないんだから」このやり取りで僕のほうが驚いた。この車は市内限定だったのか。

結局、ヒューズだけが悪いのならいいけど、他の部分がおかしい場合もあるので、そのまま帰ってこいとのアドバイスだった。

渋々了解。役に立たないスタンドの店員達に悪態をつきながら次の目的地に行くことにする。

シガーソケットが使えないと、iphoneの充電ができないし、ETCが使えなかったら、高速が割引料金にならない。

マーしょうがない。旅にトラブルは付きものである。

次の目的地は宮崎県の鵜戸神社である。電池の残量を気にしながら、アイフォンに連れて行ってもらう。

大和族が宮崎にいた理由

宮崎の日南海岸は全国的に有名である。

昭和30~40年代、宮崎は新婚旅行のメッカだった。

その理由は「ハワイには行けないけど、ハワイのような宮崎なら行ける」っていう庶民のいじましい願いが根底にあったという。

確かにヤシの木はあるし、海はきれいだ。

日南海岸

南国の雰囲気を持つ宮崎だが、新婚旅行のメッカになったもう一つの理由が「建国三千年の歴史」というキャッチフレーズだった。

大和国はこの宮崎の地からスタートしたと古事記には書いている。

最初からこの地にいたのか、何処か違う土地からやって来たのか。

その部分は謎のままである。

ただ、霧島連峰を実際に走り、日南海岸を走って鬼の洗濯板を見ていると、この地が特別な地だということがわかる。

これから行く鵜戸神社は鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)が祀られている。

この神様は神武天皇のお父さんである。さて古事記を信用するかしないかは人それぞれだが、古事記の中にはメッセージが詰まっている。

そのメッセージを読み解きたいと思っている。

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