仏教とキリスト教　キリストが仏教徒だったという話

長崎の隠れキリシタンを調べているうちに、仏教とキリスト教の類似点を多く感じていた。

日本に初めてキリスト教を伝えたスペインの宣教師フランシスコ・ザビエルは、キリスト教の概念を日本人に伝えるのに苦労している。

そして最初、デウスを「天道」、キリストを「大日(大日如来)」、聖母マリアは「観音」、天国（パライソ）は「極楽」と説いた。

まあこれには色んな理由があるのだが、この比喩はとてもわかり易いと思う。

世界の宗教

世界で信者数約24.5億人もいるキリスト教、ムハンマドのイスラム教、ヨーガ修行のヒンドゥー教、そして仏教等である。

これらの宗教の違いを論ずるのは、かなりハードルが高いが、究極は愛と平和と言っていいと思う。

日本に伝わったキリスト教もそうである。

だから仏教の下地がある日本人はキリスト教を理解できたのである。

最初に述べたキリストを「大日」と理解した人々は、間違っていないと思う。

キリストもお釈迦様も「偉い人」ということでは同じだからだ。

キリスト教と仏教の類似点

世界にはキリスト教と仏教の類似点を指摘する人達も多い。

ウィキペディアにも「仏教とキリスト教」という項目があるくらいである。

詳しくはウィキペディアに載っているので参考にしてほしい。

最初は仏教が誕生して、その500年後くらいに原始キリスト教がスタートしている。

仏教は、それまでのバラモン教のカースト制度に疑問を持ち、インド北西部で発祥、その後アジア各地に広まった。

キリストは、紀元1世紀にパレスティナのユダヤの地、とりわけガリラヤ周辺で活動したと考えられている。

かなり位置が離れているが、西洋とインド地域はかなり昔から交流があった。

いちばん有名なのは紀元前335年のアレクサンドロス大王の東方遠征だろう。

日本ではアレクサンダー大王(ドイツ語風)と言ったほうが馴染みがある。

ちなみにアラビア語やペルシア語ではイスカンダル(宇宙戦艦ヤマトを思い出す)と呼ばれている。

この事で西洋とインドまでの地域に交流が起こった。

歴史用語で言えば、ギリシア文化が、オリエント文化と融合してヘレニズム文化が生まれたということである。

キリストと仏教

イエスが公に伝道を開始する前の、消息不明となっている期間に、彼は小チベットを訪れていたという仮説がある。

しかしこの事は当然賛否両論がある。

19世紀終わりには、ルドルフ・ザイデルが仏教とキリスト教の寓話と教えの中に50の類似点を見出している。

1918年、エドワード・ウォッシュバーン・ホプキンス
結局、イエスの生涯、誘惑、奇跡、寓話、そして弟子までもが直接に仏教に由来するのだ。

反論

20世紀初めのアルベルト・シュヴァイツァー

本質的にありえなくはないが、「イエスの新しい思想が仏教からの直接的な借り物だという仮説」は証明されていなし、証明不可能であるし、とても考えられない。

という事で、キリスト教が浸透した西洋ではアルベルト・シュヴァイツァーの結論が支持されているのは当然のことだろう。

誰だって、自分が信じている宗教に関して、いろんな事を言われたくないからである。

番組イエス・キリストは「仏教僧ISSA」だった！

衝撃の見出しだが、この番組を制作したのは、英国営放送の「BBC」である。

衝撃　イエス・キリストは「仏教僧ISSA」だった！ 謎に包まれた“空白の17年間”をBBCが検証、聖書に書かれなかった真実とは？
https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201707_post_13785/

今から200年ほど前、インド、チベット、アフガニスタンを旅していた、ロシア人医師ニコラス・ノトヴィッチがインド北部ラダック地方レーにある仏教僧院で発見した、イエスの仏教僧としての活躍を伝える書物「聖イッサ伝」だという。

なるほど、興味深い内容だ。

そういえば、幼稚園のクリスマス会で、キリスト誕生の聖劇を必ずやるが、その時に東方の三博士が登場していた。

私は単純に、キリストの誕生を世界中の賢人が祝福していたと理解していたが、「仏教僧ISSA」の話を読めば、この三博士が仏教徒であったかも知れないと思うようになった。

キリスト教の三位一体（父・子・聖霊）と仏教の三宝（仏・法・僧）が一緒だとも書いている。

ふと思ったのだが、この話は、ユダヤ人と日本人の共通性を説いている日ユ同祖説に似ている。

解釈によって、共通項はいくらでも出てくるのだ。

似ている所もあるけれど、やっぱり違う。

仏教とキリスト教もそんな関係だと思う。

「キリストさんは若い頃お釈迦様の勉強をして、精進して偉大なキリスト教を作った偉い人」

そんなゆるさでも、日本人は納得するし、自分も納得してしまう。

それでいいのだ。