先日台風10号が九州にやってきて、私の地元長崎県も直撃を受けた。
テレビ報道の例えがすごすぎて、県外の親せきから多数心配のラインが舞い込む。
気象庁は「最大級の警戒」まあこれはわかるのだが、「これまで経験したことのない台風」などと言われると、私の心にも暗雲が立ち込めしまう。
確かにデータ的には中心気圧が930ヘクトパスカルで、「最大級の警戒」をしなくてはいけないくらい大型だった。
しかし幸運にも、先行して東シナ海を通過した台風8号と9号が、周辺の海水温を下げたことが影響して勢力弱まった。
勢力が弱まったにしろ、大型台風なのでその威力はすさまじく、各地で停電が起き、私の住んでいる地域も、午前2時くらいから朝の9時近くまで停電してしまった。
これまでに経験したことのないような・・・
台風が過ぎ去った後、まだ耳に残っているのが、「これまでに経験したことのないような大雨、暴風、高潮となる恐れがある」という言葉だ。
もう高齢者の部類に入っている私にしてみれば、死者数が多かった伊勢湾台風(1959年9月)が最大級の台風になるのだが、私がまだ小さい子供だったので記憶が全然ない。
この台風は昭和の三大台風の中の一つなのは知識として知っているので、「これまでに経験したことのないよう台風」と言われると、さすがに震え上がってしまったのだ。
気象庁が「これまでに経験したことのないよう台風」という表現を使ったのは初めてではないかな。
まあ、それほど巨大な台風の可能性があったので文句を言うわけではないが、来年大型の台風が来た時なんて言うんだろうと思う。
空前絶後とかギガクラス、超スーパー台風なんて言うのかもしれない。
いろんな例えがあってもいいが、人間脅かされるとパニックに陥ってしまうものだ。
やはり科学的な数字がメインの報道をしてほしいと思った。
コロナ対策で避難所 新規受け入れできず
これは宮崎での話だが、19か所の避難所が、避難者の数を半分以下に減らした結果である。
現在のコロナ対策だが、一通り収束している見通しで、PCR検査での過剰なマスコミの反応に対して、苦々しく思っていた。
これまでの過剰なマスコミ報道のせいもあり、「多くの人が自然災害以上に新型コロナへの感染リスクを自分ごととして感じているのかもしれない」と分析する人もいる。
内閣府も5月18日、「新型コロナが収束しない中でも危険な場所にいる人は、避難が原則」と呼びかけるポスターを公開した。
「新型コロナウイルスが怖くても避難を」は当たり前である。
久留米大医学部看護学科長の三橋睦子教授は「避難所が怖いという理由で避難しない人が増え、災害の犠牲者が増えることが懸念される」と話す。
「これまでに経験したことのないよう台風」である。この惹句にパニックになった人が避難所に行く。
その避難所はコロナ対策だと言って、しっかり収容余力があるのに避難してきた人を追い返す。
馬鹿じゃないだろうか。
コロナに関しては、様々な論があるが、PCR検査の乱発で無症状や軽度の症状の人も、指定感染症である以上、原則的には入院隔離措置が執られることになっている。
この指定感染症という枠を外さなくては、役人たちは非現実的な対応を繰り返すだろう。
コロナより怖いもの
これは沢山ある。今回のような災害もそうだし、火事や地震もある。
さらに経済の悪化による倒産、自殺者の増加もそうである。
冷静に考えればわかるはずなのに、現在日本は迷走してしまっている。
政治の迷走も怖い。
そして、過剰なマスコミ報道も怖い。
コロナより怖いものは沢山あるのだ。
それを考えなくなった人間が一番怖いかもしれない。