ユダヤ人の祖先は日本人だった(1) 中央アジアの弓月国とキルギス

日ユ同祖論という説がある。

世界に散らばったイスラエルの失われた10支族の1支族(第9族エフライム族、第5族ガド族、または第7族イッサカル族)の数人が日本に移住したという説である。(これ以外にも複数の説がある)

いろいろ説があるが、イスラエルの失われた10支族(ガド族が有名)は、日本に渡来して、皇室とつながったという話である。

学術的には全く認められていないが、ネットでは大人気である。

なぜ人気なのかといえば、やはり面白いからだと思う。

古代ユダヤの聖櫃(アーク)と日本の神輿(みこし)は、良く似ているとか、日本もユダヤも、水や塩で身を清める禊の習慣があるとか、その類似点は際限なく出てくるようだ。

ほとんどが否定されている事ばかりなのだが、ふと思った。

逆もまた真なりという言葉がある。

ユダヤ人の祖先は日本人だったというという説も意外と説得力があるかもしれない。

これからこの説を考えていきたいと思う。

 

民族の古さ

ユダヤ人と日本人と比べてみて、その可能性を探りたい。

まずユダヤ人の起こりを調べてみた。

 

AI ユダヤの歴史は、紀元前17世紀に族長アブラハムとその息子イサク、孫のヤコブによって始まりました。メソポタミアで発掘された紀元前2000~1500年頃の文献は、当時彼らが聖書に描かれたとおりの遊牧生活を送っていたことを裏付けています。

ヘブライ人・イスラエル人・ユダヤ人

 他民族からはヘブライ人といわれ、自らはイスラエル人と呼び、バビロン捕囚後にはユダヤ人と言われるようになる。

バビロン捕囚

この「ユダヤ人」は、特に『旧約聖書』という民族史を持つこと、民族宗教であるユダヤ教が依然として存続していることなどから、前1500年ごろから現代まで、一貫してその民族性を継承しているように見える。
https://www.y-history.net/appendix/wh0101-071.html

 

ユダヤ人といえば旧約聖書の出エジプトをまず思い出す。

旧約聖書は天地創造が書かれているので、その古さは地球誕生と同じくらいだと思えるが、やはりここは節度を持って、聖書の成り立ちの時代だと考えたい。

旧約聖書は、紀元前4~5世紀に成立している。

日本では弥生時代の前期か中期あたりである。

創世記では、悪徳の町であるソドムとゴモラの滅亡があり、創世記には最初の殺人であるカインとアベルの兄弟の話、ノアの箱舟、バベルの塔などの物語が続いていく。

ノアの箱舟の話は、大洪水の話だ。

ノアの箱舟 (c) NTT DOCOMO

 

鬼界カルデラの大噴火

鬼界カルデラ ウィキペディア

日本はどうかといえば、縄文時代に大災害が起きている。

縄文文化を壊滅させた「鬼界カルデラ」の大噴火である。

 

約7,300年前(約6,300年前とする説もある)に生じた鬼界カルデラの一連の大噴火の際に、最後の大規模火砕流(幸屋火砕流)が推定時速300km位の高速で海上を走り、大隅半島や薩摩半島にまで上陸。その時のアカホヤと呼ばれる火山灰は朝鮮半島、東北地方まで達している。

 

幸屋火砕流は当時住んでいた早期縄文時代の縄文人の生活に大打撃を与え、その後、1,000年近くは無人の地となった。

火山の噴火は、当然津波も引き起こす。

九州南部に住んでいた縄文人は壊滅したとされているが、生き残った人々は海を渡り、日本列島から船で脱出したとされている。

この記憶は、旧約聖書のノアの箱舟とそっくりである。

古代、地上が壊滅し、船で生き延びたという、民族の記憶が旧約聖書のソドムとゴモラの滅亡であり、ノアの箱舟だったのである。

そして、出エジプトに繋がっていく。

モーゼの海の割れる奇跡話は象徴的だが、縄文人が作った小舟で大海を渡っていったのである。これもまた奇跡といってもいいだろう。

 

倭人がヨーロッパ大陸に渡った可能性

倭人(縄文人)が大陸に拡散していった証拠はあるのだろうか。

日ユ同祖論では秦氏という氏族がユダヤ人だったという説が必ず出てくる。

秦氏一族は稲荷神社などを創祀したことでも知られており、蚕や絹などによる織物、土木技術、砂鉄や銅等の採鉱及び精錬、薬草なども広めた。ウィキペディア

いろいろ不思議な一族であり、有力な帰化氏族である。

 

『日本書紀』で応神天皇14年(283年)に百済より百二十県の人を率いて帰化したと記される弓月君を秦氏の祖とする。「弓月」の朝鮮語の音訓と訓読み(クンダル)が「百済」の和訓である「くだら」とほぼ同音であることから百済の系統とする説などがある。

 

いろんな説があるが、中国の西に位置する天山山脈の麓にあった弓月国を源とした一族が建国した秦韓(辰韓)を構成した国王の子孫という説もある。

天山山脈の麓とは中央アジアのカザフスタン、キルギスから中国西部にかけての国境地帯に広がる山脈群である。

ここは中国とは呼べない場所だ。

弓月国https://garomusica.exblog.jp/24750290/

 

秦氏の故郷、弓月国
 秦氏の故郷は、中央アジアのカザフスタン~シンチャンウイグル自治区の一部にあたる、弓月(中国読みクンユエ)という国である。この国の存在は中国の古代史書「資治通鑑(しじつがん)」にも記されている。弓月国は、シルクロードの北方ルート上に属しており、バルハシ湖の南、イリ川付近にあった。昔、この地は、クルジア(Kuldja)=弓月城と呼ばれたが、今でもシンチャンウイグル自治区の中に、クルジアと呼ばれる町は存在する(正式にはYiningという町)。 そのクルジアのすぐ東南50km位のところ、イリ川上流に「ヤマトゥ」という小さな村がある。英語では、Yamat, Yamata, Yamatuなどと表記される。
http://sekainonakanowatashi.blog42.fc2.com/blog-entry-42.html

 

「ヤマトゥ」という小さな村があるとは興味深いが、ここから西に行けばキルギスという国がある。

 

キルギス共和国。
クルグズ(キルギス)の語源は「кырк(クルク)」が40の意味で、40の民族を指し、また中国人にかつて「гунны(グンヌィ、匈奴)」と呼ばれていた背景から、それらを合わせてクルグズとなったと言われている。ちなみに、テュルク系言語で40を意味する「クゥルク」に、娘や女の子を意味する「クゥズ」を合わせた「クゥルク・クゥズ」は、“40人の娘”という意味になり、中央アジアに広く伝えられるアマゾネス伝承との関連をうかがわせる。したがって、「40の民族」というよりも「40の部族」ないし「40の氏族」という意味のほうが適切である。

キルギスってどんな国?https://www.tigermov.com/blog/detail/1506

 

この国の人々は日本人に似ている事で有名だ。

 

キルギスと日本には、古(いにしえ)の祖先の時代からそれぞれ似た神話が存在してきました。キルギスの神話では、「キルギス人と日本人は兄弟で、肉の好きな人がキルギス人となって残り、魚の好きな人が海を渡って日本人となった」というものです。一方、古事記や日本書紀に代表される日本の神話では、「弟の山雪彦は獣を獲り、兄の海雪彦は魚を捕っていた」というもので、「どちらの神話も似てる」と言われるのは頷(うなず)けますし、キルギス人と日本人は顔や見た目も良く似ています。https://travel-noted.jp/posts/29704

会員からのレポート】キルギス共和国からの現地報告 | 富丘会

 

日本人にそっくりなキルギス人と、場所が近い秦氏の故郷、弓月国。

ここまでくると、倭人(縄文人)が紆余曲折をへてこの地までたどり着いた可能性がある。

ただ縄文人が直接行ったとすると、歴史から見ると大和という国の話に結びつかない。

古すぎるのだ。

その謎を解き明かす歴史が朝鮮半島にあった。

 

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