グレタさんの国スウェーデン 強力軍隊と女性徴兵制の国

何かと話題のグレタさんだが、北欧スウェーデン出身である。

下世話だが、スウェーデンといえば「フリーセックス」という言葉をすぐ思い出す程度で、高福祉国家かなぐらいの知識しかない。

環境問題の先進国というイメージがあるが、本当のところはどうなのかを調べてみた。

スウェーデン王国

スウェーデンは王様がいる立憲君主制国家である。古代はスウェーデン・ヴァイキングという海賊の国だった。

日本の天皇制と似ていて、国家元首である国王は、国家の象徴であり、儀礼的職務のみを行う象徴君主制をとっている。

スウェーデン

国旗

女性も「平等」に対象 徴兵制復活

スウェーデン徴兵制復活 ロシアの脅威に対応、女性も対象 AFP

武装中立主義を貫く国で、軍隊は強いという評価だ。

イメージは「平和主義国」だが、徴兵制や民間防衛にみられるように、一般国民が参加の防衛を計画してきた国である。

徴兵制もあったが、2010年に一度廃止されている。しかし現在復活している。

やはりロシアの脅威を十分認識していて、防衛のための強力な軍隊・兵器を組織している、ハリネズミ防衛戦略である。

日本のように非武装中立などという、お花畑の考えはない。

防衛費の予算はGDPの1~2%で、日本の1%と比べると多く、西洋の先進国並みの予算を使っている。

理想である平和主義国を、強力な軍隊という現実主義で構築しようとしているのだ。

徹底した個人主義

国土は日本の1.2倍程度なのに、人口は東京都よりも少ない。気候は寒冷なので、甘い事をしているとひどい目に合うのだ。

スウェーデンでは10人に4~5人が一人暮らしをしており、全世帯数の50%弱が独身世帯と言われている。

食事の席でも、先輩のおごりという風習はなく「自分のことは自分でやる」に徹している。

徴兵制も女性が含まれるというくらい、平等なのだ。これも日本の男女平等とはだいぶ違うようだ。

給料の50%は税金 病院は悪化しないと見てくれない

これくらいしないと、社会保障や福祉を実現できないのだろう。ちなみに消費税は25%である。

スウェーデンは高福祉国家なので、医療もすごいと想像するが、現実は違い、スウェーデン人は病院に行かないという。

例えば風邪の場合、「少なくとも4日以上熱が続く場合」病院を受診しろと書いてある。

つまり、悪化や長期化してようやく病院に行く事が推奨されているのだ。

そして無料ではない。

18歳以上は年間約13000円までは自分で支払い、それを超えた分が無料となる。

薬代は別で、年間約26000円までは自己負担で、それ以上が無料という。

ただし、18歳未満の子供はすべて無料だ。

これを実現するために、大人には様々な制約が課せられていているのだ。

スウェーデンでは救急車がなかなか来ない事で有名で、問題になっているという。

救急車の到着が遅れたり適切な治療が受けられなくて死亡した事故のニュースは頻繁に取り上げられているという。

これらの事を思えば、理想を実現しようとすれば、やはり負担はどこかに出てくるのだ。

まあ、夢のような体制などありえないのだと実感。

2011年におきた「Caremaスキャンダル」
Carema(スウェーデン国内大手の高齢者介護施設運営会社)が運営する介護施設内での老人ホーム入居者への劣悪な対応(入居者を夜間ベッドに縛り付ける、汚物を吸い一定の重量を越えるまでオムツを替えてもらえない)は、老人ホーム入居者の親族や従業員からの内部告発により非常に大きなニュースとなった。

これなら、日本のほうが数段上だと思う。

幸福度ランキング上位の常連国だが離婚率は高い

同時に再婚率が高い。また、スウェーデンでは結婚しないまま男女で同居をしている、いわゆる「事実婚」の人も多い。

これをサンボというらしい。

サンボは結婚とは違い財産を個人で管理することができるので別れることになった時、財産分与の問題がない。

恋愛に関しては、個人主義ゆえに自由である。

扶養家族の制度がないスウェーデンでは両親のどちらかが引き取るということはあまりなく、両親が離婚すると子供は1週間ごとに母の家と父の家とを行き来しながら生活することがほとんどという。

この事に関して、日本人の私には懸念がある。

それは子供の事である。

私の場合、父が死別して、母は再婚している。だが思春期の私は、心情的に新しい父親を受け入れられなかった思いがある。

情緒的な日本人だけの感情かもしれないが、スウェーデンの子供にも、私のような子がいるのではないかと思う。

移民問題

今では理想郷に思われているスウェーデンも、昔は海外の国へ移民を送出する国で、およそ150万人ほどのスウェーデン人がアメリカやオーストラリアなどへ出て行ったとある。

その理由は貧困から脱するため、宗教迫害から逃れるため、将来に対する不安、政治的な抑圧だったそうである。

まあ、その事もあり、近代国家の道を進んだのだろうが、ドイツに次いで2番目に難民受け入れをしている国なので、当然問題もある。

道端にいる乞食の多さ、暴行や脅迫、性犯罪、強盗の多発で、若い女性の14%が被害を訴えたとある。

スウェーデン民主党は移民・難民悪玉論の叫び、「犯罪が多発するのは移民のせい」「福祉予算が逼迫するのは移民が増えたから」「移民がスウェーデンの伝統と文化を崩壊させる」。スウェーデンの主権を薄める欧州連合(EU)からの離脱を唱えている。

スウェーデン南部 物乞いライセンス制を導入 https://jp.sputniknews.com/life/201908086566328/

また移民が多いスウェーデンでは異人種間カップル、多国籍カップルは非常に多い。

スウェーデン人と結婚している外国人女性の多くが、スウェーデンで楽な生活をする事、実家に仕送りをする事なのではないかと疑う人もおおい。

「女性はビザやお金が目的で、男性は女性の人格を無視し体だけを目的としているような関係ならば、買春や売春と同様なのではないか」という意見もあるという。

環境問題

スウェーデンは、1979年に起きた米スリーマイル事故を受けて、1980年には世界に先駆けて「2010年までに全原発を廃止する」と国民投票で決定したのだが、その全廃期限は1997年に撤回されている。

そして現在、CO2を出さない原発は、78%の国民から支持されている。要するに「環境に優しいエネルギー」を最優先しているのである。

なるほどと思う。

グレタさんのCO2への異常とも思える抗議は、国民性なのだ。

グレタ・トゥンベリさん

そして、原子力への感覚は日本と全く違う。

また再生可能エネルギーにも精力的に取り組んでいるのである。

その理由は、化石燃料資源に乏しく石炭や石油、天然ガスの供給は、もっぱら輸入に依存している。なので豊富な水力資源による水力発電や原子力、さらに豊富な森林地帯が生み出す木質燃料などのバイオマス発電が盛んなのである。

数字でいえば、水力が47%、原子力が35%と電力の8割以上を占め、風力発電が10%もある。

ヨーロッパでは原発撤廃の方向なのだが、スウェーデンは独自路線を進んでいるのだ。

この事をどうとらえるかは、意見の分かれるところではあるが、日本の事情とはかなり違っていることを知っておきたい。

グレタさんのおかげで、スウェーデンの事を調べることになったが、どんな国にも、プラスマイナスがある。

今回はマイナス面を強調したきらいがあるが、イメージによる思い込みを払しょくさせる効果があったと思う。

なんにしても、自分で調べることは大切だと思った。

さて、環境問題はどう進んでいくのだろうか。

ただ、イメージだけの環境ユートピア論だけには振り回されたくないと思う。


世界の謎発見 スウェーデン
https://discoveworld.com/sweden-hospital

「人道大国」がどんどん不機嫌になる理由 北欧スウェーデンでも極右政党が台頭

https://www.newsweekjapan.jp/kimura/2018/09/post-47_2.php

スウェーデンが徴兵制復活、軍備強化。世界情勢は混沌と…

https://yaziup.com/business/world/47835

真実は?

https://ameblo.jp/kenkoudoujou-20100119/entry-12254806320.html

外国人出会い隊

http://外国人出会い隊.com/swedish/

文春オンライン

https://bunshun.jp/articles/-/7031?page=2

ウィキペディア、他