エミシとエゾとアイヌ

古代日本の東北地方には蝦夷が登場する。

蝦夷は、神武東征紀では「愛瀰詩」と記され、後に「毛人」とも呼ばれた。

蝦夷がアイヌ人かどうかは、議論の対象となってきたが、現在の研究では、両者を同一視することは困難であるとするのが一般的である。

古代の蝦夷は、本州東部とそれ以北に居住し、大和朝廷への帰属を拒否していた集団を指した。

蝦夷がアイヌであったとする「蝦夷アイヌ説」では、続縄文文化の担い手が東北地方に残って蝦夷となったと考える。

しかし、蝦夷が優れた騎馬弓兵であったのに対し、アイヌは馬を使用せず、戦闘スタイルが異なることから、この説には疑問も投げかけられている。 一方、「蝦夷辺民説」では、西南日本から北上してきた古墳文化の担い手が蝦夷となったとする。

遺伝子研究の結果、蝦夷はアイヌよりも和人に近いとの 研究もあり、この説を支持する根拠となっている。

そして、中世以降の「蝦夷えぞ」はアイヌのことを指している。

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