邪馬台国畿内説と偏向マスコミ

先日、NHKの銅鐸の謎-歴史秘話ヒストリア-についての番組があった。

歴史秘話ヒストリア

その内容の結論だが、卑弥呼が銅鐸文化を滅ぼしたという結論を出していた。

あれ?

という事は、邪馬台国が畿内があったという事になる。

番組内では、邪馬台国が九州説と畿内説の二つがあるということすら説明していない。

そう言えば、NHKは2011年NHKスペシャル「“邪馬台国”を掘る」でも邪馬台国は纒向(まきむく)遺跡であるという趣旨の放送をしている。

NHKスペシャル「邪馬台国を掘る」

まだある。

2012年6月7日(水)、午後8時に、NHK BSで、BS歴史館「古代史最大のミステリー 邪馬台国の魔力に迫る」と言う番組があったらしい。(これは私は見ていない)

考古学者と歴史学者と三国志の第一人者が集って討論する内容で、番組の最後に、お三方ともそろって、邪馬台国は近畿地方に存在すると平然とおっしゃる。
https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36697696.html

という事らしい。

TBS BSの番組「諸説あり! 邪馬台国 どこにあったのか」で司会者が「九州説の人には、年よりが多い」といいました。(文章は抜粋)

邪馬台国論争・TBSの着地も纏向ですか
https://tizudesiru.exblog.jp/237288662/

どうもテレビ局は九州説の存在を無視しているようである。

昔は違っていたと思う。

1989年放送「NHKスペシャルよみがえる邪馬台国」では、吉野ヶ里遺跡の出土品を手がかりに、九州説を検証し、卑弥呼の姿を追うといった内容だった。

NHKスペシャルよみがえる邪馬台国

これは面白かった。民放が取り上げない題材を、ある程度公平な説明で番組を展開していたからである。

昔と今では、局の人たちが変わっていったのかも知れない。

最近のTV番組は(NHK及び民放)は左傾化を言われている。

邪馬台国畿内説はその影響なのだろうか。

邪馬台国畿内説の概要

私は魏志倭人伝の文章から推測すれば、九州に邪馬台国があったと思っているのだが、それ以外の説があってもいいと思う。

なので、畿内説の言い分を挙げてみたい。

邪馬台国畿内説では、「畿内には最大級の都市遺跡がある。魏に朝貢した邪馬台国はその当時の日本列島最大勢力であったはず」という仮定に基づいている。

ナルホド。

最初に場所ありきという事である。

畿内説にも琵琶湖湖畔、大阪府等があるのだが、現在は奈良県桜井市三輪山近くの纏向遺跡(まきむくいせき)が最有力とされている。

また、初期の前方後円墳が卑弥呼の没年近くに作られはじめられているという事も証拠としている。これは箸墓古墳の事だ。

ここまではある程度理解できる。

しかし、「倭人伝の邪馬台国の方角の記述には、写本時の写し間違いがある」という説は、やはり納得いかない。

「正しくは「東」であるのを、誤って「南」と書いたと思われ、「南して」を「東して」に読み替えるべきである」

こんな事を言ってしまえば、議論にならなくなってしまうからである。

しかも、その説を正当化させるために、朝鮮で作成された日本についての地図『混一彊理歴代国都之図』というのを引っ張り出している。

混一彊理歴代国都之図

だが、この地図は李氏朝鮮の廷臣が日本の「行基図」を、地図の上に適当に配置したためとわかっている。

こう考えると、近畿説の根底には、都合の悪い文献は間違っているとして、簡単に片付けている態度が見えるのは間違いない。

ここまでは、いろんな書物やHP上で言われていることである。

まあ、近畿説の言い分では、結局中国の古い文献などは、そんなに深く信用しなくてもいいという事だと思う。

現在発掘されている遺跡が、何なのかを追求していたら、やはり邪馬台国に行き着いてしまったという事だと思う。

ここは、突っ込みたいと思う。

「別に邪馬台国でなくてもいいんじゃないの」

近畿地方に、大きな国らしきものがあったのは間違いないのである。

それを「あんまり信用できない魏志倭人伝」の邪馬台国に当てはめなくてもいいんじゃないのかな。

まあ、大胆な仮説など出来ない人たちなので、有名な邪馬台国に固執しているとしか思えないのだ。

しかし、これもまた一つの説なので、頭ごなしに批判するのはやめたいと思うのである。

ただ最近のマスコミ(テレビや新聞)が近畿説一辺倒なのが気になっている。

新聞雑誌は偏向してもしょうがないと思う。問題なのはテレビ局である。

そして重要なのはNHKなのである。

放送法第4条

放送事業者が国内外で放送する番組の編集について定めた条文。

(1)公安及び善良な風俗を害しないこと
(2)政治的に公平であること
(3)報道は事実をまげないですること
(4)意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすること――を求めている。

邪馬台国の問題は、学問的要素の強い議論でし、未だに決着がつかない、国民の関心事でもある。

それならば放送法第4条の(4)意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることに、配慮すべきだと思う。

しかし、最近の放送を見れば、近畿説一辺倒なことは明白である。

なにか原因があるのだろうか。

 

よく言われるのが、九州説論者は在野中心(素人)で、考古学会の主流派は圧倒的に畿内説であるという説明がある。

誰もそんな調査をしていないのに、なぜこの風説がまかり通っているのだろうか。

その原因がマスコミ報道なのである。

例えば、纏向(巻向)遺跡の報道なのだが、確かに大発見である。

そして現在発掘しているのは、桜井市教育委員会である。

まあ単純に国から予算が出ているので、その成果をアピールしたいのはわかる。結果が出ないと、予算が出ないからである。

なので、大々的に発掘の成果を宣伝したい。

そして、マスコミを巻き込んで、畿内に邪馬台国はあったと、猛アピールをする。

マスコミも取材先が、教育委員会とか政府関係の研究所なら、誰からも責任を問われることもなく、もしその報道が違っていたとしても、テレビ局には一切責任がない。

つまり、絶対的な安牌なのだ。

その結果、マスコミの論調は平気で邪馬台国畿内説に偏り、大騒ぎをしてみせるという構図である。

そうなれば、報道が多い御用学者関係の畿内説が主流のような錯覚を国民に起こさせてしまうのである。

だが、新聞や民放は、それでも許せる。

しかし、NHKは強制徴収有料番組なのである。

なので偏向した番組を作ることは、放送法第4条の項目に反していることは明らかである。

NHKの偏向ぶりに関してはいいたい事が山ほどあるのだが、ここでは差し控えたい。

ただ、歴史認識が偏っていることだけは是正してほしい。

邪馬台国の結論が出るまで、公平な姿勢をお願いしたいのだ。

今回はそれだけを言いたかったのである。

コメントを残す